令和3年度 市立奈良病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 563 169 280 399 525 745 1,160 2,298 1,763 498
高齢の方が占める割合が高く、60代が全体の13.8%、70代以上が全体の54.3%となっています。
また、当院では小児科救急に力を入れ、小児輪番に参加しているので15歳未満の入院が約7.9%を占めています。
若年層である20~30代の入院のうち約33%は周産期に関連した入院となっています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科(総合診療科;感染制御内科)
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 132 19.07 20.57 37.9% 84.9
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 82 12.17 13.14 18.3% 79.8
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 16 3.81 4.92 0.0% 68.4
100393xx99xxxx その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 手術なし 14 11.50 10.28 14.3% 77.1
180010x0xxx2xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等22あり 14 19.93 31.19 42.9% 70.5
内科(総合診療科)では、肺炎、尿路感染症、敗血症といった一般感染症疾患の診療を多く担っています。誤嚥性肺炎の場合、平均より長期の入院を要し、また、転院を要する必要が高い特徴があります。感染症以外では、電解質異常、めまい(前庭機能障害)などの救急疾患入院も担当しています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 50 2.34 3.30 0.0% 72.2
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 38 6.76 9.07 0.0% 70.9
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし 26 24.46 18.42 11.5% 80.6
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 19 21.58 13.12 5.3% 75.0
040040xx9909xx ■肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等29あり 14 14.57 10.46 0.0% 72.9
呼吸器内科での入院対象疾患で最も多いのは肺癌です。DPCコードの違いにより複数項目に別れており、3番目の間質性肺炎以外の上位を占めています。肺癌の診断と治療には組織生検が必要です。1番目のDPCコードは組織生検目的の平均3日間の検査入院を反映しています。2,4,5番目の肺癌の治療入院は標準的な化学療法で1コース1か月弱、免疫療法や分子標的治療薬で1~2週間、胸部への根治的放射線治療では2か月弱の入院期間が目安です。3番目の間質性肺炎は、通常の肺炎と異なり肺の間質に炎症をきたす疾患で、原因不明の特発性間質性肺炎は難病に指定されています。呼吸器内科は肺癌含め難治性の疾患が入院対象となることが多いですが、最新のエビデンスに基づいた診断・治療を常に心掛けています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 206 2.03 2.65 0.0% 70.0
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 112 7.14 9.21 7.1% 77.5
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2なし 87 8.80 10.48 2.3% 75.2
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 70 4.07 7.96 1.4% 75.9
060102xx02xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 小腸結腸内視鏡的止血術等 40 6.75 9.63 0.0% 76.1
消化器内科の疾患別入院で、最も多いのは大腸腫瘍(ポリープ、早期がん)に対する内視鏡的治療です。6名の消化器内視鏡専門医で全例にCO2送気を用い、より苦痛の少ない大腸内視鏡検査、治療を行っています。小さなポリープは外来での切除を基本としていますが、大きな病変に対する内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は入院で行っています。次に多いのは、胆管炎、胆嚢炎、閉塞性黄疸などの腹部緊急症です。腹痛、発熱、黄疸などの症状で救急受診、また他院から紹介されてくる多くの症例に対し、救急専門医とも協力して短時間で的確に診断し、内視鏡的、または経皮的な緊急治療を24時間体制で行っています。3番目に多いのが、肝細胞がんを中心とする肝臓の悪性腫瘍です。2名の肝臓専門医が診断からラジオ波焼灼術(RFA)、放射線科専門医と共同で行う血管塞栓術(TAE, TACE)、さらに薬物治療まで一貫して診療にあたります。4番目に多いのは、早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)目的の入院です。当科が最も得意とする疾患領域であり入院期間は通常4日間で、当院での診断症例だけでなく、他医療機関からの紹介症例の治療も多数行っています。5番目は急激な血便で発症する下部消化管(大腸)の出血で、近年急速に増加してきています。休日や夜間でも可能な限り緊急で大腸内視鏡検査を行い、出血部位の診断や内視鏡的な止血術を行っています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 89 3.22 4.36 0.0% 71.2
050130xx9900xx 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 80 20.05 17.35 2.5% 83.1
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 45 11.67 10.24 2.2% 80.7
050030xx97000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 その他の手術あり 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 40 13.78 11.87 2.5% 69.1
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 35 3.26 3.06 0.0% 70.2
生活様式の欧米化や高齢化にともない、動脈硬化性疾患(心血管系疾患,脳血管障害など)による死亡が本邦における死因の約3分の1におよぶ中、狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患や,高血圧に起因する心不全が増えています。当科では虚血性心疾患に対する冠動脈造影検査や冠動脈有意狭窄病変に対する経皮的冠動脈形成術を数多く行っています。また,下肢閉塞性動脈硬化症に対する血管形成術も年々増加しています。当院では救急医療に力を入れており、急性または慢性心不全の急性増悪により救急搬送されてくる患者さんを数多く受け入れています。これらの患者さんは急性期の治療ののちに心臓リハビリテーションを受けて退院・転院されることが多いです。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010160xx99x00x パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 22 30.77 17.86 36.4% 77.1
100370xx99x0xx アミロイドーシス 手術なし 手術・処置等2なし 18 4.89 10.98 0.0% 43.2
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 13 9.15 15.57 7.7% 73.7
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 12 18.33 7.22 8.3% 54.6
010060x0990201 脳梗塞(脳卒中発症4日目以降又は無症候性、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 - - 15.42 - -
急性期脳梗塞に対して、発症後4時間30分以内の脳梗塞患者に対して、t-PA血栓溶解療法を行っています。急性神経疾患である神経炎症性疾患(脳炎、髄膜炎、ギランバレー症候群など)、てんかん重積患者の診療も行っています。さらに神経難病のパーキンソン病患者に対して薬剤調整やリハビリテーション(LSVT)を行っています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 83 4.90 4.74 1.2% 70.3
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 73 6.10 6.25 0.0% 60.8
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 44 12.66 15.76 0.0% 73.2
060241xx97xxxx 痔核 手術あり 41 2.78 5.52 0.0% 58.1
060020xx02xxxx 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 35 15.91 18.34 2.9% 74.4
当院消化器外科の主な対象疾患は,胃癌,大腸癌,肝胆膵領域などの癌である悪性疾患と,鼠径ヘルニア,胆石症,虫垂炎などの良性疾患です.手術については原則,高度進行癌以外は鏡視下での手術を行っております.胃癌、直腸癌の鏡視下手術適応症例は、ロボット支援下内視鏡手術を施行しています。鏡視下手術による根治性の追求と,手術を受ける方の負担をできるだけ軽減し,術後の生活の質向上を目指しています.
乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし 94 10.84 10.15 0.0% 66.3
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 56 8.16 5.88 0.0% 65.1
090010xx99x0xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2なし - - 9.61 - -
090020xx97xxxx 乳房の良性腫瘍 手術あり - - 4.10 - -
090010xx97x0xx 乳房の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2なし - - 6.37 - -
乳腺外科では、乳腺疾患に関してより専門性の高い医療を提供できるように、資格を持った人材や設備を整えて診療を行っています。特に乳癌に対しては診断から手術、化学療法、放射線治療、乳房再建手術など、一貫して当院で行えるシステムを構築しており、近隣の皆様に多くの支持をいただいております。手術に関しても、根治性と整容性のバランスを考え、乳頭温存「乳腺全切除や皮膚温存乳腺全切除を行い、当院の形成外科とのチーム医療において、乳房再建も行っています。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x10x 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等21あり 定義副傷病なし 28 12.43 18.91 0.0% 69.3
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - 9.86 - -
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - 10.47 - -
040020xx97xxxx 縦隔の良性腫瘍 手術あり - - 7.90 - -
040030xx01xxxx 呼吸器系の良性腫瘍 肺切除術 気管支形成を伴う肺切除等 - - 8.82 - -
奈良県の地域がん診療連携拠点病院である当院は、呼吸器外科合同委員会より呼吸器外科手術の専門研修連携施設の認定を受けております。2021年度は50例の呼吸器外科手術を行い、そのうち原発性肺がんが23例となっております。気胸に対する手術も積極的に施行(7例)しております。
当科の手術は、そのほとんどの症例を「胸腔鏡手術」で行なっております。また通常では難しいとされる「小さな病変を的確に切除する」ことも、独自の手法を用いながら執り行なっております。
さらに従来の手術治療だけでなく、術後補助化学療法を含めた化学療法や放射線療法、あるいは手術前後の栄養指導や呼吸器リハビリテーションも行い、肺がんの包括的な治療を目指しております。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 39 9.62 9.78 15.4% 80.9
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 21 14.24 18.90 57.1% 66.3
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 17 4.35 2.99 0.0% 63.8
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 15 6.53 8.30 20.0% 65.4
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 14 14.36 15.63 42.9% 71.1
厚生労働省の指示に従い診断群分類別患者数上位5位までを呈示しました。脳神経外科治療(手術)総数は163件で、脳動脈瘤23例(開頭クリッピング術16例、血管内コイル塞栓術7例)、脳腫瘍は25例、脳内出血12例(内視鏡下及び開頭)、血行再建術12例、外傷46例(急性及び慢性硬膜下血腫等)でした。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 99 27.43 25.32 77.8% 80.5
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 73 22.30 20.63 4.1% 70.3
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 その他の手術あり 手術・処置等2なし 70 12.59 15.77 5.7% 71.0
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 45 28.62 23.02 6.7% 74.4
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病なし 40 4.85 4.99 2.5% 60.6
整形外科は外傷および脊椎外科、膝関節外科、股関節外科、手外科を中心に診療を行っています。当院の特徴としては大腿骨骨近位部骨折や手関節周囲骨折などの救急疾患と変性疾患である変形性膝・股関節症、脊柱菅狭窄症・脊椎症などがバランスよく配分されています。当院での入院治療は主に手術治療が必要な患者さんを中心に行っております。変形性膝関節症、大腿骨近位部骨折は高齢の患者さんが多く、リハビリには時間を要するため、多くの方がリハビリ治療を専門としている病院に転院されています。脊柱管狭窄症も高齢者に多い疾患ですが、まずは短期間の検査入院を受けられ、後日手術を受けられているために平均入院期間が比較的短い傾向があります。上肢の骨折の手術後は短期間の入院で自宅に退院されることが多くなっています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx011xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1あり 26 10.92 15.31 0.0% 46.7
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし 17 2.00 2.94 0.0% 73.2
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし 17 2.82 4.01 0.0% 50.7
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 13 7.08 13.07 0.0% 56.2
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術・処置等1なし - - 4.66 - -
当科は日本形成外科学会認定施設(基幹施設)であり、同学会の定める11項目を中心に各種形成外科診療を行っています。
入院患者では、皮膚の良性腫瘍、眼瞼下垂症、乳がん切除後再建やあらゆる皮膚腫瘍などの手術を最も多く取り扱い、その他、悪性腫瘍の切除と再建、顔面外傷や口唇その他の先天異常症の手術、熱傷、褥瘡や糖尿病性足病変の治療などを実施しております。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 定義副傷病なし 93 4.82 5.83 1.1% 1.2
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等1あり 50 1.02 2.13 0.0% 3.3
080270xxxx0xxx 食物アレルギー 手術・処置等1なし 44 1.30 2.35 0.0% 6.6
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 43 4.88 6.24 0.0% 2.8
060380xxxxx00x ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 27 3.59 5.53 0.0% 4.3
一般小児急性期疾患、二次救急疾患患者を中心に地域の中核病院として診療を行っている。年間の入院患者は581人で、コロナ流行以前の水準からはおよそ半減している。平均在院日数は例年通りで4.2日となっている。入院患者の多くを就学前の乳幼児が占めている。疾患別分類では急性疾患が多く、急性気管支炎、肺炎などの呼吸器感染症、ウイルス性腸炎などが多くを占めている。アレルギー疾患としては、食物アレルギーに対する食物経口負荷試験(OFC)や、気管支喘息の入院が多くみられた。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 29 8.52 9.22 3.4% 75.7
080110xxxxx0xx 水疱症 手術・処置等2なし - - 29.17 - -
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし - - 13.07 - -
080190xxxxxxxx 脱毛症 - - 3.36 - -
080100xxxx0xxx 薬疹、中毒疹 手術・処置等1なし - - 11.44 - -
1番目の帯状疱疹は、ウィルスによる有痛性の発疹です。重症になれば発熱・倦怠感が増悪し、入院治療となります。2番目の水泡症は自己免疫疾患で全身に水泡が出現、入院治療となります。3番目の急性膿皮症は、細菌感染に伴う蜂窩織炎や丹毒です。発熱・体調増悪がある場合入院治療を行います。4番目の脱毛症はステロイド点滴治療を行います。5番目の薬疹・中毒疹は、薬やその他の誘因で出る発疹です。全身精査で誘因を特定し、主にステロイド全身療法で治療を行います。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 73 5.73 7.02 0.0% 73.5
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 51 5.53 5.56 9.8% 68.7
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 39 6.00 8.23 0.0% 76.5
110310xx01xxxx 腎臓又は尿路の感染症 経皮的腎(腎盂)瘻造設術等 18 12.61 14.08 22.2% 80.7
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 16 3.19 7.87 0.0% 74.8
当院では泌尿器科癌の手術、尿路結石症の内視鏡手術、前立腺肥大症の経尿道的内視鏡手術に対する入院が上位を占めているのは例年と変わりありません。前立腺癌の診断では当院では入院せずほとんどの方が外来日帰りで針生検を受けておられますので入院件数としてはあがっていませんが本年度は100件近く行っていました。
本年度は昨年度同様腎不全に対する血液透析のための血管手術(手術の項参照)を目的とした入院が5位に挙げられています。1位に挙げられている膀胱癌の経尿道的手術のための入院は、治療もさることながら診断としても重要です。2位に挙げられている結石除去術のための入院ではレーザーと軟性尿管鏡を用いた経尿道的手術に加え、比較的大きな腎結石に対して経皮的に、いずれも内視鏡で結石を見ながら、衝撃波より、より確実に除去するようにしています。前立腺癌に対する根治術のための入院が本年度はランクインしませんでしたが、当院では通常手術では治しにくいと言われる局所進行癌に対して少し広めに切除する開腹術を内視鏡カメラを用いながら小さい傷(小切開)を採用している一方、早期癌では2022年度から最新のロボット補助による腹腔鏡手術を開始しています。
今回4位に入っている「尿路感染症」は、コロナ禍における発熱外来の影響で、例年より発熱の対応が増加したことにより、泌尿器科の発熱患者が増加したことによるランクインではないかと推察します。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120260xx01xxxx 分娩の異常 子宮破裂手術等 65 9.48 9.38 0.0% 33.1
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 39 10.18 9.46 0.0% 48.8
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2なし 30 3.03 3.05 0.0% 38.6
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 28 9.29 9.39 0.0% 32.6
120260xx02xxxx 分娩の異常 骨盤位娩出術等 27 6.85 6.82 0.0% 31.1
出産年齢の高齢化に伴い、分娩時のリスクは増加します。当院ではハイリスク妊婦の分娩が多いため、毎年全分娩件数の30%以上が帝王切開術となっています。また経腟分娩でも、胎児機能不全による急速遂娩には吸引娩出術、頸管裂傷、弛緩出血などに対しては止血術が必要となります。これらは分娩の異常や胎児及び胎児付属物の異常として集計されています(1、4、5番目)。婦人科では子宮筋腫などの良性疾患に対して開腹による子宮全摘術(2番目)や、初期の子宮頸癌に対する円錐切除術(3番目)が、当院では多いようです。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 370 2.36 2.71 0.0% 73.8
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり両眼 197 7.02 4.83 0.0% 76.6
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 15 6.40 6.14 0.0% 69.5
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり片眼 10 12.90 8.48 0.0% 59.4
020200xx9700xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし - - 6.07 - -
当院眼科の入院は、ほとんどが手術を受けていただく患者様です。また、昨年度の入院患者612名のうち、92.6%の患者様が白内障に対する水晶体再建術であるため、比較的ご高齢の方が多い特徴にあります。現在は、片眼で1日から3日間入院で、両眼の場合、片眼ずつ少し間隔をあけて手術をされるか、7日間の入院で両眼とも手術してしまうか、年齢・全身状態・居住地を鑑みて相談させていただいております。次に多い症例は、網膜硝子体疾患である黄斑円孔、黄斑前膜に対する黄斑手術、網膜剥離、糖尿病性網膜症手術になります。これら疾患は、術後安静が必要となりますので、約1週間の入院とさせていただいております。
耳鼻いんこう科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 36 6.00 7.84 0.0% 27.2
100020xx010xxx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除(頸部外側区域郭清を伴わないもの)等 手術・処置等1なし 27 7.11 8.19 0.0% 57.0
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 25 5.64 5.71 0.0% 43.9
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 17 5.18 6.47 0.0% 52.2
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 17 5.94 7.03 0.0% 59.2
当科で最も多い、慢性扁桃炎や、口蓋扁桃肥大・アデノイドによる気道障害に対する扁桃摘出術・アデノイド切除術や副鼻腔炎手術、扁桃周囲膿瘍など重症な上気道感染の入院加療は、市中病院としての役割と考えています。甲状腺悪性腫瘍は頭頸部領域では最も多い癌で、高齢化に伴い増加傾向であり、手術以外にも、根治切除不能症例に対する薬物療法や緩和治療を要する場合があります。鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍は良性腫瘍のみで、集計結果にない咽喉頭悪性腫瘍を含めると腫瘍系の入院加療も多く、頭頸部癌に対する標準放射線治療であるIMRTが可能になれば、さらに腫瘍系が増加すると考えています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 82 5.93 10.39 0.0% 64.3
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり - - 13.74 - -
110260xx99x0xx ネフローゼ症候群 手術なし 手術・処置等2なし - - 20.43 - -
110280xx97x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - 14.62 - -
110280xx02x1xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等21あり - - 34.08 - -
腎臓内科における入院は、①慢性腎臓病(CKD)、とくに糖尿病や高血圧などの生活習慣病に関連した腎臓病の診療、②腎炎・ネフローゼ症候群に関連した腎臓病の診療、③血液透析や腹膜透析の導入の順で多く受け入れています。CKD教育・腎生検と免疫抑制療法、・透析導入などを必要に応じて実施しています。
血液・腫瘍内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x5xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等25あり 24 15.71 19.92 0.0% 75.2
130060xx97x00x 骨髄異形成症候群 手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - 14.55 - -
130030xx99x4xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等24あり - - 10.66 - -
130030xx97x50x 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等25あり 定義副傷病なし - - 31.17 - -
130110x0xxx0xx 出血性疾患(その他)(16歳以上) 手術・処置等2なし - - 16.28 - -
血液・腫瘍内科では、2021年9月に常勤の血液専門医が入職したことにより入院での治療を開始しています。白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの造血器腫瘍に対する化学療法目的の入院を主に診ています。また、再生不良性貧血や特発性血小板減少性紫斑病などの良性疾患の薬物治療目的の入院もあります。2022年4月からは無菌室病棟も開いています。また、奈良県総合医療センターや奈良県立医科大学と連携しながら、血液内科診療をしています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 80 12 9 22 2 14 1:UICC TNM分類 第8版
大腸癌 22 23 37 67 2 4 1:UICC TNM分類 第8版
乳癌 71 84 8 6 0 14 1:UICC TNM分類 第8版
肺癌 32 18 49 58 3 16 1:UICC TNM分類 第8版
肝癌 18 16 61 11 2 37 1:UICC TNM分類 第8版
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院は平成20年度から地域がん診療連携拠点病院に指定されており、手術、放射線治療及び化学療法を効果的に組み合わせた集学的治療や緩和ケアを提供する体制を有し、患者さんの状態に応じて各学会の診療ガイドラインに準じた標準的な治療を提供しています。取り扱う癌の種類は、表にあるような5大癌だけではなく、脳や生殖器系、皮膚等様々です。また乳房再建など失われた器官の再建や癌に関連した血管内治療も積極的に行っています。そして、身体的な治療だけではなく、患者さん、ご家族に寄り添いながらQOL(Quality Of Life)向上をめざし、適宜心療内科の介入によって精神的なケアも行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 5 6.60 14.20
中等症 12 12.42 75.67
重症 0 0.00 0.00
超重症 1 4.00 90.00
不明 0 0.00 0.00
A-DROPスコアを用いて判定した結果を示しており、重症度0は軽症、重症度1~2は中等症、重症度3は重症、重症度4~5は超重症の状態です。入院の契機となった傷病名および医療資源を最も投入した傷病名が両方ともICD10コードJ13~J18$で始まるものに限定されています。入院当初にICD10コードJ13~J18$に該当しない症例については対象外となっております。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 142 18.76 76.73 47.9
その他 34 15.12 76.76 38.2
当院では、脳・神経センター(脳神経内科・脳神経外科)を設置し、脳卒中ホットライン(近隣医療機関や救急隊から専門医に直接診療依頼が可能)を運用しています。脳卒中専門医を中心にホットラインを活用しながら急性期の脳梗塞治療にあたっています。発症後4時間30分以内の脳梗塞患者にはt-PA血栓溶解療法、さらに発症後6時間以内の脳梗塞患者には脳血栓回収術を行っています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 188 0.09 1.01 0.0% 70.0
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 86 1.08 6.66 2.3% 75.2
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 67 1.00 2.13 1.5% 76.2
K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの 66 0.11 7.48 4.5% 74.4
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 45 0.67 11.07 4.4% 74.9
手術症例が最も多いのは大腸腫瘍(ポリープ、早期がん)に対する内視鏡的ポリープ切除術で、6名の消化器内視鏡専門医が全例にCO2送気を用い、より苦痛の少ない大腸内視鏡検査で高レベルの診断、治療を行っています。小さなポリープは外来での切除を基本としていますが、比較的大きな病変や出血のリスクが高い症例では入院で治療を行っています。2番目に多いのは肝細胞がんに対する血管塞栓術で、2名の肝臓専門医が担当します。塞栓する血管の部位や塞栓物質の選択は、当院の放射線科専門医との密な連携のもとに判断しています。3番目に多いのは早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)です。当科が最も得意とする疾患領域と治療技術であり、通常4日間の入院期間で、当院での診断症例だけでなく、他医療機関からの紹介症例の治療も多数行っています。またESDについては胃がんのみならず、食道、十二指腸や大腸の病変に対しても行っています。4番目に多いのは内視鏡的十二指腸乳頭切開術です。腹痛、発熱、黄疸などの症状で救急受診、また他院から紹介されてくる多くの胆管結石症例に対し、救急専門医とも協力して短時間で的確に診断し、緊急内視鏡的手術としての結石除去術を行います。5番目に多いのが胆管炎、胆嚢炎、閉塞性黄疸などに対する内視鏡的胆道ステント留置術で、内視鏡的治療のみならず経皮的な緊急手術、処置を24時間体制で行っています。これらの他にも、肝癌に対するラジオ波焼灼術(RFA)や胃瘻造設術なども数多く取り扱っています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 70 2.11 1.99 0.0% 70.4
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 35 1.46 3.23 5.7% 80.3
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの 32 1.00 3.13 0.0% 65.9
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 30 2.03 9.83 0.0% 78.3
K5463 経皮的冠動脈形成術 その他のもの 22 4.23 2.82 0.0% 76.0
虚血性心疾患に対するPCI(冠動脈インターベンション)、下肢閉塞性動脈硬化症等の末梢動脈疾患に対する血管拡張術、徐脈性不整脈等に対するペースメーカー移植術が上位を占めています。当科では他にもRFCA(カテーテルアブレーション治療)や、重症循環不全・心肺停止症例に対する積極的な集中治療(PCPS,IABP,低体温療法)を行っています。
外科;乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 106 1.11 4.69 0.9% 62.3
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 82 0.99 2.91 1.2% 70.4
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術・腋窩部郭清を伴わない 56 1.00 6.16 0.0% 65.1
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・腋窩部郭清を伴わない 53 1.00 8.42 0.0% 67.8
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 44 2.66 9.11 0.0% 72.0
胆石症に対する胆嚢摘出術は,病悩期間の短縮のため高度炎症症例の一部も手術適応とし,対象症例が増加しました.また,そのほとんど を鏡視下手術で行っております.大腸,胃の悪性疾患に対する手術も根治性を損なうことなく,低侵襲を目的として積極的に鏡視下で行っており,その鏡視下率も高いレベルを維持しております.
乳腺外科が扱う乳腺悪性腫瘍に対する切除術は、診療報酬において術式が細分化されてしまうため最も多い術式として表のような値の表記となっていますが、乳癌に対する切除術全体としては年間約200例の手術を施行しています。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 部分切除 18 3.00 8.61 0.0% 70.0
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 12 3.42 8.00 0.0% 70.7
K5131 胸腔鏡下肺切除術 肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの) - - - - -
K5132 胸腔鏡下肺切除術 部分切除 - - - - -
K502 縦隔腫瘍、胸腺摘出術 - - - - -
奈良県の地域がん診療連携拠点病院である当院は、呼吸器外科合同委員会より呼吸器外科手術の専門研修連携施設の認定を受けております。2021年度は50例の呼吸器外科手術を行い、そのうち原発性肺がんが23例となっております。気胸に対する手術も積極的に施行(7例)しております。当科の手術は、そのほとんどの症例を「胸腔鏡手術」で行なっております。また通常では難しいとされる「小さな病変を的確に切除する」ことも、独自の手法を用いながら執り行なっております。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 37 1.00 10.76 18.9% 81.2
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 14 8.71 19.50 14.3% 62.9
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 11 1.73 40.73 45.5% 68.9
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭・脳内) 10 1.60 53.10 90.0% 74.7
K145 穿頭脳室ドレナージ術 - - - - -
厚生労働省の指示に従い診療科別主要手術別患者数等上位5位までを呈示しました。脳神経外科治療(手術)総数は163件で、脳動脈瘤23例(開頭クリッピング術16例、血管内コイル塞栓術7例)、脳腫瘍は25例、脳内出血12例(内視鏡下及び開頭)、血行再建術12例、外傷46例(急性及び慢性硬膜下血腫等)でした。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(肩、股、膝)) 123 1.19 22.79 6.5% 71.7
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) 101 1.83 11.67 9.9% 71.3
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) 93 3.27 16.35 49.5% 74.5
K0462 骨折観血的手術(前腕、下腿、手舟状骨) 68 1.12 7.97 11.8% 66.0
K0483 骨内異物(挿入物)除去術(前腕) 40 1.03 4.00 0.0% 55.5
当院では高齢者に対する膝関節・股関節に対する人工関節置換術を多数行っています。また脊椎疾患に対する椎弓形成術や固定術も当科では多い手術です。3番目の四肢中枢の骨折に対する観血的手術は特に大腿骨に対する手術が多く、高齢者の転倒等による大腿骨の頚部骨折や転子部骨折の増加の影響と考えられます。4番目の四肢末梢の骨折に対する観血的手術は高齢者の撓骨遠位端骨折、若年者の交通外傷やスポーツ競技中の事故によるものを含みます。当科では他にも関節鏡下手術など整形外科領域における多彩な手術を数多く取り扱っています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・腋窩部郭清を伴わない 17 1.00 8.65 0.0% 48.1
K0063 皮膚腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6㎝以上12㎝未満) 13 0.38 2.77 0.0% 56.0
K0062 皮膚腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3㎝以上6㎝未満) 10 0.40 2.70 0.0% 46.1
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 10 0.00 1.00 0.0% 73.3
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) - - - - -
入院を要した手術症例としては、乳腺悪性腫瘍手術、眼瞼下垂症手術、皮膚悪性腫瘍切除術、乳房再建術が多くなっています。当科では他にも、先天性疾患である口蓋裂や多指症の形成術、術後や外傷後瘢痕の再建術等を幅広く取り扱っています。
手術症例の多い「乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)」はDPCデータ上の主たる手術として挙がっていますが、乳腺外科と形成外科が共同して乳癌に対する乳房切除術と同時再建術を行っている症例を意味しています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術・電解質溶液利用のもの 74 1.53 3.30 1.4% 73.5
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) 48 1.25 3.90 10.4% 69.1
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用のもの) 38 1.34 3.68 0.0% 76.3
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 28 1.14 10.75 21.4% 83.3
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 15 0.93 1.27 0.0% 75.8
膀胱癌に対する膀胱悪性腫瘍手術、尿路結石症に対する経尿道的尿路結石除去術、前立腺肥大症に対する経尿道的前立腺手術が上位に挙げられているのは例年と変わりありません。コロナによる「受診控え」、「検診離れ」から状況が悪くなってから救急に来院される方が増えたかはっきり言えませんが、結石による腎盂腎炎に対して行う経尿道的尿管ステント留置術が28件で、15件の腎不全に対する血液透析のための「内シャント設置術(主に手の動脈と静脈を繋いで体表面の静脈の血流を増やす手術)」より13件多く4位となっています。ステント留置は尿路感染の治療期間として2週間を超える平均入院期間となっています。次点の6位以降では、鏡視下小切開手術による前立腺癌根治術、腎癌と希少ガンと言われる腎盂や尿管の癌に対する腹腔鏡下腎尿管悪性腫瘍手術が続き、鏡視下でない手術を含めますと、前立腺癌の手術となります。本年度も年間約300件の手術と日帰りでの前立腺生検を100件近く行っていました。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術 選択帝王切開 79 3.01 7.43 0.0% 32.6
K877 子宮全摘術 37 1.84 7.78 0.0% 51.2
K867 子宮頸部(腟部)切除術 30 1.00 1.03 0.0% 38.6
K9091イ 流産手術 妊娠11週までの場合 手動真空吸引法によるもの 25 0.16 0.12 0.0% 35.0
K8981 帝王切開術(緊急切開) 23 0.78 7.70 0.0% 32.9
2021年度は手術室で産科および婦人科の手術を263件行いました。当科で取り扱う主要手術症例の多くは周産期関連が占めています(1、4、5番目)。なお、当院での流産手術は子宮に対して愛護的で、原則的に世界的にも強く推奨されている手動真空吸引法(MVA)で行っています(4番目)。婦人科領域では子宮筋腫や卵巣嚢腫などの良性腫瘍手術(2番目)を数多く施行していますが、子宮頸癌に対する円錐切除術や(3番目)、子宮体癌や卵巣癌などの悪性腫瘍手術にも対応しています。

眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 563 0.36 2.61 0.0% 74.7
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの 24 0.33 6.00 0.0% 68.9
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術 その他のもの 11 0.27 8.64 0.0% 61.2
K2422 斜視手術 後転法 - - - - -
K281 増殖性硝子体網膜症手術 - - - - -
入院症例の92.6%を占めるのが白内障に対する水晶体再建術で、1回の入院で片眼・両眼のいずれを治療されるかによって入院日数が異なります。次に多い症例は、網膜硝子体疾患である黄斑手術、網膜剥離、糖尿病性網膜症に対する手術が続きます。
耳鼻いんこう科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 31 1.00 4.52 0.0% 30.2
K4631 甲状腺悪性腫瘍手術 切除(頸部外側区域郭清を伴わないもの) 16 1.25 4.81 0.0% 60.3
K4611 甲状腺部分切除術、甲状腺腫摘出術 片葉のみの場合 13 1.00 4.15 0.0% 51.5
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術IV型(汎副鼻腔手術) 12 1.00 3.00 0.0% 51.1
K3932 喉頭腫瘍摘出術 直達鏡によるもの 12 1.00 4.67 0.0% 68.3
当科の手術で最も多いのは口蓋扁桃摘出術(アデノイド切除も含む)ですが、耳鼻科一般臨床で頻度の高い慢性扁桃炎、あるいは口蓋扁桃肥大、アデノイド増殖症による気道障害に対する手術は市中病院としての役割と考えています。次に多い甲状腺悪性腫瘍は頭頸部領域では最も多い癌で、サイズの大きい良性腫瘍の手術も含め、高齢化に伴い甲状腺腫瘍は増加傾向です。近年、慢性副鼻腔炎は減少傾向ですが、数年前に難病指定された好酸球性副鼻腔炎など重症症例に対する手術症例が増加しています。声帯ポリープや声帯の前癌病変などの腫瘍に対する直達鏡下顕微鏡手術も多く施行しています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる 31 0.37%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 16 0.19%
異なる - -
当院DPCデータ上、医療資源を最も投入した傷病名がDIC、敗血症、その他の真菌症、手術・術後の合併症の分類にあたる症例数や発生率は上表の通りでした。(年間を通して10件に満たない項目は数値を表示しておりません。)この表において、医療資源を最も投入した傷病名が入院契機の病名と同じ症例は入院の時点で既にその疾患をもたれており、その治療を主目的に入院された症例、入院契機と異なる症例は別の疾患の治療を目的に入院された後に疾患が見つかった、あるいはその疾患に罹患した症例と読み取ることができます。当院の場合、手術・処置等の合併症に分類されるDPCでの請求が年間10例以上生じていることがわかります。手術・術後の合併症については、大半の症例が医療資源を最も投入した病名と入院契機が同一の症例で16例でした。入院契機と異なる症例は10件に満たない数でした。前出の16例の内訳としては、整形外科の人工関節置換術後の脱臼・ゆるみが4例、術後感染が2例ありました。また、外科の術後感染に対する症例が3例ありました。当院においては合併症を起こさないように各科で最大限の注意を払いつつ医療を行っておりますが、残念ながら手術や処置においては一定の割合で合併症は生じます。それに関しては手術や処置を施行する前に十分患者さんに説明して、可能性のある合併症についてご理解いただくようにしています。
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