令和5年度 市立奈良病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 661 141 194 351 421 698 1115 2504 2125 569
高齢の方が占める割合が高く、60代が全体の12.7%、70代以上が全体の59.2%となっています。
また、当院では小児科救急に力を入れ、小児輪番に参加しているので15歳未満の入院が約8.3%を占めています。
若年層である20~30代の入院のうち約35%は周産期に関連した入院となっています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科(総合診療科;感染制御内科)
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 142 20.4 20.60 31.7 85.67
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 92 14.6 13.52 18.5 82.11
0400801499x001 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なしA-DROP スコア1 20 11.8 13.88 20.0 85.25
040120xx99000x 慢性閉塞性肺疾患 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 19 17.2 13.70 21.1 72.95
100393xx99xxxx その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 手術なし 17 7.6 10.25 11.8 75.53
内科(総合診療科)では、肺炎、尿路感染症、膿皮症といった一般感染症疾患の診療を多く担っています。誤嚥性肺炎の場合、平均より長期の入院を要し、また、転院を要する必要が高い特徴があります。感染症以外では、薬物中毒、めまい(前提機能障害)などの救急疾患入院も担当しています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし 40 24.3 18.65 7.5 77.28
040040xx99200x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 40 2.2 2.98 0.0 70.28
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 33 6.9 8.33 0.0 67.85
040040xx99041x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病あり 17 24.5 13.90 11.8 72.59
040120xx99000x 慢性閉塞性肺疾患 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 14 19.7 13.70 7.1 81.29
1番目の間質性肺炎は、通常の肺炎と異なり肺の間質に炎症をきたす疾患で、原因不明の特発性間質性肺炎は難病に指定されています。他はすべて入院対象疾患で最も多い肺で、DPCコードの違いにより複数項目に別れており、1番目の間質性肺炎以外の上位を占めています。2番目のDPCコードは組織生検目的の平均2日間の検査入院を反映しています。3,4,5番目の肺癌の治療入院は標準的な化学療法で1コース1か月弱、免疫療法や分子標的治療薬で1~2週間、胸部への根治的放射線治療では2か月弱の入院期間が目安です。呼吸器内科は肺癌含め難治性の疾患が入院対象となることが多いですが、最新のエビデンスに基づいた診断・治療を常に心掛けています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 154 2.4 2.61 1.3 71.22
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 123 10.0 8.75 4.1 79.79
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2なし 91 8.7 10.24 0.0 74.37
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 64 4.3 7.61 0.0 75.66
060102xx02xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 小腸結腸内視鏡的止血術等 48 6.5 9.32 2.1 73.50
消化器内科の疾患別入院で、最も多いのは大腸腫瘍(ポリープ、早期がん)に対する内視鏡的治療です。9名の消化器内視鏡担当医で全例にCO2送気を用い、より苦痛の少ない大腸内視鏡検査、治療を行っています。小さなポリープは外来での切除を基本としていますが、大きな病変に対する内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は入院で行っています。次に多いのは、胆管炎、胆嚢炎、閉塞性黄疸などの腹部緊急症です。腹痛、発熱、黄疸などの症状で救急受診、また他院から紹介されてくる多くの症例に対し、救急専門医とも協力して短時間で的確に診断し、内視鏡的、または経皮的な緊急治療を24時間体制で行っています。3番目に多いのが、肝細胞がんを中心とする肝臓の悪性腫瘍です。2名の肝臓専門医が診断からラジオ波焼灼術(RFA)、放射線科専門医と共同で行う血管塞栓術(TAE, TACE)、さらに薬物治療まで一貫して診療にあたります。4番目に多いのは、早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)目的の入院です。当科が最も得意とする疾患領域であり入院期間は通常4~7日間で、当院での診断症例だけでなく、他医療機関からの紹介症例の治療も多数行っています。5番目は急激な血便で発症する下部消化管(大腸)の出血で、近年急速に増加してきています。休日や夜間でも可能な限り緊急で大腸内視鏡検査を行い、出血部位の診断や内視鏡的な止血術を行っています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 100 15.8 17.38 7.0 84.63
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2なし 76 4.7 4.57 1.3 66.14
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 70 3.2 4.26 0.0 72.03
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 58 9.8 9.77 5.2 81.79
050030xx97000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 その他の手術あり 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 47 10.8 11.54 0.0 72.00
生活様式の欧米化や高齢化にともない、動脈硬化性疾患(心血管系疾患,脳血管障害など)による死亡が本邦における死因の約3分の1におよぶ中、狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患や,高血圧に起因する心不全が増えています。2025年には団塊の世代が全員75歳以上となり、心不全患者はさらに増加し2035年には約130万人程度になると推測されています。当院では救急医療に力を入れており、急性または慢性心不全の急性増悪により救急搬送されてくる患者さんを数多く受け入れています。これらの患者さんは急性期の治療ののちに心臓リハビリテーションを行い再発予防に務めています。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010160xx99x00x パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 16 26.1 18.24 18.8 74.19
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 15 17.6 15.70 26.7 79.00
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 15 15.6 15.57 26.7 70.33
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 11 11.5 7.19 0.0 68.27
010060x2990221 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 定義副傷病2あり発症前Rankin Scale 0、1又は2 29.31
急性期脳梗塞に対して、発症後4時間30分以内の脳梗塞患者にt-PA血栓溶解療法を行っています。急性神経疾患である神経炎症性疾患(脳炎、髄膜炎、ギランバレー症候群など)、てんかん重積患者の診療も行っています。さらに神経難病のパーキンソン病患者に対して薬剤調整やリハビリテーション(LSVT)を行っています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 108 4.9 4.55 0.9 72.05
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 69 5.1 5.98 0.0 63.99
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 58 14.6 15.12 3.4 73.62
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 48 6.3 6.87 4.2 63.77
060241xx97xxxx 痔核 手術あり 44 3.4 5.41 2.3 64.32
当院消化器外科の主な対象疾患は,胃癌,大腸癌,肝胆膵領域などの癌である悪性疾患と,鼠径ヘルニア,胆石症,虫垂炎などの良性疾患です.手術については原則,高度進行癌以外は鏡視下での手術を行っております.胃癌、直腸癌、結腸癌の鏡視下手術適応症例は、ロボット支援下内視鏡手術を施行しています。鏡視下手術による根治性の追求と,手術を受ける方の負担をできるだけ軽減し,術後の生活の質の向上を目指しています.

乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし 112 10.6 9.88 0.0 67.04
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 51 8.1 5.64 0.0 63.49
090020xx97xxxx 乳房の良性腫瘍 手術あり 11 3.0 4.00 0.0 44.18
090010xx99x0xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2なし 9.69
090010xx97x0xx 乳房の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2なし 6.59
乳腺外科では、乳腺疾患に関してより専門性の高い医療を提供できるように、資格を持った人材や設備を整えて診療を行っています。特に乳癌に対しては診断から手術、化学療法、放射線治療、乳房再建手術など、一貫して当院で行えるシステムを構築しており、近隣の皆様に多くの支持をいただいております。手術に関しても、根治性と整容性のバランスを考え、乳頭温存「乳腺全切除や皮膚温存乳腺全切除を行い、当院の形成外科とのチーム医療において、乳房再建も行っています。

呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x10x 肺の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等21あり 定義副傷病なし 26 12.0 18.16 0.0 68.31
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 9.54
040030xx01xxxx 呼吸器系の良性腫瘍 肺切除術 気管支形成を伴う肺切除等 8.53
040040xx99200x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 2.98
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 9.89
奈良県の地域がん診療連携拠点病院であり、呼吸器外科合同委員会による専門研修連携施設の認定を受けている当院では、2023年度に42例の呼吸器外科手術を行なっております。内訳は原発性肺がんが19例と最も多く、続いて転移性肺腫瘍(9例)となっております。
当科の手術は、そのほとんどの症例を「胸腔鏡手術」で行なっております。また通常では位置同定が難しい微小な肺病変に対しても、独自の手法を用いることにより的確に切除することが可能となっております。
さらに従来の手術治療だけでなく、術後補助化学療法を含めた化学療法や放射線療法、あるいは手術前後の栄養指導や呼吸リハビリテーションも行い、肺がんの包括的な治療を目指しております。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 33 9.7 11.87 18.2 79.30
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 25 16.5 19.09 64.0 72.28
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 24 8.1 9.88 12.5 80.58
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 23 15.0 15.57 34.8 80.57
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 22 14.1 15.70 27.3 72.05
厚生労働省の指示に従い診断群分類別患者数上位5位までを呈示しました。尚、2023年1月1日から12月31日の脳神経外科治療(手術)総数は216件で、脳動脈瘤26例(開頭クリッピング術8例、血管内コイル塞栓術18例)、脳腫瘍14例、脳内出血19例(神経内視鏡及び開頭)、血行再建術44例、頭部外傷77例(急性及び慢性硬膜下血腫等)、血栓回収術7例でした。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 127 23.6 25.50 72.4 82.94
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 103 20.7 19.55 2.9 69.80
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病なし 61 4.1 4.76 0.0 60.25
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 その他の手術あり 手術・処置等2なし 50 14.5 15.66 18.0 74.02
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 45 29.5 21.96 24.4 75.82
整形外科は手の外科をメインとした四肢、外傷、脊椎、股関節、膝関節を中心に診療を行っている。
23年度の診断分類別患者上位5位までの内容は前年とほぼ同様の結果で、高齢者骨折の上位2位である大腿骨近位部骨折、橈骨遠位端骨折に対する手術件数が多い事と専門として掲げている脊椎、股関節、膝関節の手術件数が多いのが特徴である。手術時平均年齢は若干低いものの股関節手術後のリハビリテーション病院への転院率が3%であることは目標としている早期自宅退院が反映されているが入院期間の短縮も課題としてある。

形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 24 9.8 12.88 0.0 59.79
090010xx011xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1あり 23 10.6 15.21 0.0 49.35
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術・処置等1なし 22 2.6 4.28 0.0 54.41
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし 21 2.0 2.82 0.0 72.05
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし 12 3.0 3.93 0.0 36.25
当科は日本形成外科学会認定施設(基幹施設)であり、同学会の定める11項目を中心に各種形成外科診療を行っています。
入院患者では、眼瞼下垂、骨軟部の良性腫瘍症、乳がん切除後再建やあらゆる皮膚腫瘍などの手術を最も多く取り扱い、その他、皮膚悪性腫瘍の切除と再建、膿皮症の治療などを実施しております。

小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 78 4.7 5.96 1.3 1.59
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等1あり 77 1.0 2.12 0.0 3.73
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2なし 59 4.5 5.86 1.7 3.46
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 47 5.3 5.62 2.1 3.64
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 40 5.1 6.37 2.5 3.08
一般小児急性期疾患、二次救急疾患患者を中心に地域の二次病院の中核として診療を行っている。年間の入院患者は643人で、コロナ流行以降は同様の水準で推移している。平均在院日数は例年よりさらに短縮しており3.5日となっている。入院患者の多くを就学前の乳幼児が占めている。疾患分類では急性疾患が多く、急性気管支炎、急性肺炎などの呼吸器感染症(ウイルス性、細菌性)が多くを占めている。アレルギー疾患としては、食物アレルギーに対する食物経口負荷試験(OFC)や、気管支喘息の入院が多くみられた。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 20 13.5 12.88 5.0 76.15
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 15 10.1 9.29 0.0 0.0
080110xxxxx2xx ■水疱症 手術・処置等22あり 23.65
080190xxxxxxxx 脱毛症 3.31
080100xxxx0x0x 薬疹、中毒疹 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 10.61
1番目の膿皮症は細菌感染に伴う蜂巣織炎や丹毒です。発熱・体調増悪がある場合、入院治療を行います。2番目の帯状疱疹はウィルスによる有痛性の発疹です。重症になれば発熱・倦怠感が増悪し、入院治療を行います。3番目の水泡症は自己免疫疾患で全身に水泡が出現する病気で、入院治療を行います。4番目の脱毛症は難治性の重症脱毛にステロイドミニパルス点滴治療を行います
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx02xxxx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術+術中血管等描出撮影加算 45 5.3 6.78 0.0 76.16
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 37 5.4 7.75 0.0 78.19
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病なし 36 4.7 5.22 0.0 69.47
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 34 9.1 11.19 0.0 70.79
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 27 3.0 7.57 0.0 72.70
当科は泌尿器科尿路悪性腫瘍(前立腺癌、腎癌、膀胱癌)に対し、ロボット支援下機器(Da Vinci Xi)等の最新の機器を用いて低侵襲な手術を行っております。排尿障害、頻尿の原因となる前立腺肥大症、尿路結石といった泌尿器科疾患にも対応しております。膀胱悪性腫瘍に対する経尿道的手術はがん診断精度を向上させるための「光力学的診断」を2022年に導入しました。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120260x001xxxx 分娩の異常(分娩時出血量2000ml未満) 子宮破裂手術等 52 9.5 9.31 0.0 32.08
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 32 11.0 9.23 0.0 51.59
120260x002xxxx 分娩の異常(分娩時出血量2000ml未満) 骨盤位娩出術等 28 6.8 6.73 0.0 31.46
120140xxxxxxxx 流産 27 1.7 2.43 0.0 36.59
12002xxx03x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮内膜掻爬術 手術・処置等2なし 20 1.4 2.51 0.0 57.55
母体年齢の高齢化により、流産が増加し分娩時のリスクは高くなります。自然の経腟分娩でも、突然に発生する胎児機能不全には急速遂娩(吸引娩出術)が、頸管裂傷、弛緩出血などに対しては止血術が必要となります。これらは分娩の異常や胎児及び胎児付属物の異常として集計されています(1、3番目)。流産手術は当院かかりつけの方だけでなく、近隣の医院(クリニック)等からも流産と診断された後に手術目的で紹介していただくために、症例数が多くなっています(4番目)。婦人科では子宮筋腫などの良性疾患に対して開腹による子宮全摘術(2番目)が当院では多く、近年増加傾向にある子宮体癌の診断のために行う子宮内膜搔爬術を含む項目が5番目となっています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 461 3.0 2.54 0.0 76.42
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 25 5.9 5.67 0.0 67.00
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり両眼 4.46
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり片眼 7.81
020240xx97xxx0 硝子体疾患 手術あり片眼 4.88
当院眼科の入院は、ほとんどが手術を受けていただく患者様です。また、昨年度の入院患者518名のうち、90.3%の患者様が白内障に対する水晶体再建術であるため、比較的ご高齢の方が多い特徴にあります。現在は、片眼で1日から3日間入院で、両眼の場合、片眼ずつ少し間隔をあけて手術をされるか、7日間の入院で両眼とも手術していましたが、今後は基本、外来日帰り手術とさせていただきます。次に多い症例は、網膜硝子体疾患である黄斑円孔、黄斑前膜に対する黄斑手術、網膜剥離になります。これら疾患は、術後安静が必要となりますので、約1週間の入院とさせていただいております。


耳鼻いんこう科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 39 6.0 7.53 0.0 19.15
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 21 5.0 6.02 0.0 53.52
100130xx97x0xx 甲状腺の良性結節 手術あり 手術・処置等2なし 20 6.6 7.00 0.0 52.75
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 18 5.4 6.74 0.0 54.56
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 15 4.9 5.51 0.0 46.80
当科で多い、慢性扁桃炎や、口蓋扁桃肥大・アデノイドによる気道障害に対する扁桃摘出術・アデノイド切除術や副鼻腔炎手術、扁桃周囲膿瘍など重症な上気道感染の入院加療や手術は、市中病院としての役割と考えています。次に多いのは、甲状腺良性腫瘍に害する手術で、甲状腺腫瘍は頭頸部腫瘍の中で最も多い腫瘍で、そのうち、サイズが大きい場合や増大傾向であるものは、悪性の可能性も考慮して手術を施行しています。次に多い鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍ですが良性腫瘍がほとんどであり、咽喉頭悪性腫瘍に対する標準放射線治療方法であるIMRTが当院で施行可能になれば、腫瘍系が増加すると考えています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 53 5.4 11.49 0.0 71.34
110280xx991xxx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1あり 22 9.5 6.44 0.0 61.95
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 16 15.4 13.81 6.3 74.94
100393xx99xxxx その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 手術なし 10.25
110290xx99x0xx 急性腎不全 手術なし 手術・処置等2なし 14.36
腎臓内科における入院は、①慢性腎臓病(CKD)、とくに糖尿病や高血圧などの生活習慣病に関連した腎臓病の診療、②腎炎・ネフローゼ症候群に関連した腎臓病の診療、③血液透析や腹膜透析の導入の順で多く受け入れています。CKD教育・腎生検と免疫抑制療法、透析導入などを必要に応じて実施しています。


血液腫瘍内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x9xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等29あり 43 7.30 12.88 0.0 78.5
130010xx99x9xx 急性白血病 手術なし 手術・処置等29あり 31 10.81 13.10 0.0 76.9
130030xx99x4xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等24あり 22 6.95 9.62 0.0 62.1
130020xx99x4xx ホジキン病 手術なし 手術・処置等24あり 21 4.90 11.20 0.0 74.2
130030xx99x5xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等25あり 17 17.35 19.61 0.0 61.8
血液・腫瘍内科は常勤1名、非常勤6名体制で診療を行っている。無菌室10床を有しており、重篤な骨髄抑制をきたす化学療法が可能である。常勤医不足のため造血幹細胞移植は現時点では行えないものの、移植以外の一般的な治療はほぼ可能である。造血幹細胞移植については奈良県総合医療センターなどの移植可能施設と連携を密にとり適切な時期に紹介を行っている。当院は平成23年4月より日本血液内科学会認定研修教育施設であり、血液内科専門医を目指す若い医師への教育にも励んでいる。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 68 3 27 34 0 10 1:UICC TNM分類 第8版
大腸癌 35 31 44 52 1 11 1:UICC TNM分類 第8版
乳癌 87 71 11 8 0 23 1:UICC TNM分類 第8版
肺癌 49 9 24 80 4 14 1:UICC TNM分類 第8版
肝癌 13 29 49 13 6 33 1:UICC TNM分類 第8版
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院は平成20年度から地域がん診療連携拠点病院に指定されており、手術、放射線治療及び化学療法を効果的に組み合わせた集学的治療や緩和ケアを提供する体制を有し、患者さんの状態に応じて各学会の診療ガイドラインに準じた標準的な治療を提供しています。取り扱う癌の種類は、表にあるような5大癌だけではなく、脳や生殖器系、皮膚等様々です。また乳房再建など失われた器官の再建や癌に関連した血管内治療も積極的に行っています。そして、身体的な治療だけではなく、患者さん、ご家族に寄り添いながらQOL(Quality Of Life)向上をめざし、適宜心療内科の介入によって精神的なケアも行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 42 5.52 7.60
中等症 34 15.68 81.32
重症 10 21.30 85.20
超重症
不明
A-DROPスコアを用いて判定した結果を示しており、重症度0は軽症、重症度1~2は中等症、重症度3は重症、重症度4~5は超重症の状態です。入院の契機となった傷病名および医療資源を最も投入した傷病名が両方ともICD10コードJ13~J18$で始まるものに限定されています。入院当初にICD10コードJ13~J18$に該当しない症例については対象外となっております。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 193 19.96 79.55 40.5
その他 17 18.18 76.88 3.8
当院では、脳・神経センター(脳神経内科・脳神経外科)を設置し、脳卒中ホットライン(近隣医療機関や救急隊から専門医に直接診療依頼が可能)を運用しています。脳卒中専門医を中心にホットラインを活用しながら急性期の脳梗塞治療にあたっています。発症後4時間30分以内の脳梗塞患者にはt-PA血栓溶解療法、さらに発症後6時間以内の脳梗塞患者には脳血栓回収術を行っています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 135 0.23 1.08 1.5 70.59
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 81 1.02 6.58 0.0 73.96
K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの 65 0.62 6.37 6.2 75.63
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 64 1.97 14.25 10.9 80.39
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 61 1.02 2.21 0.0 75.67
手術症例が最も多いのは大腸腫瘍(ポリープ、早期がん)に対する内視鏡的ポリープ切除術で、9名の消化器内視鏡担当医が全例にCO2送気を用い、より苦痛の少ない大腸内視鏡検査で高レベルの診断、治療を行っています。小さなポリープは外来での切除を基本としていますが、比較的大きな病変や出血のリスクが高い症例では入院で治療を行っています。2番目に多いのは肝細胞がんに対する血管塞栓術で、2名の肝臓専門医が担当します。塞栓する血管の部位や塞栓物質の選択は、当院の放射線科専門医との密な連携のもとに判断しています。3番目に多いのは内視鏡的十二指腸乳頭切開術です。腹痛、発熱、黄疸などの症状で救急受診、また他院から紹介されてくる多くの胆管結石症例に対し、救急専門医とも協力して短時間で的確に診断し、緊急内視鏡的手術としての結石除去術を行います。4番目に多いのが胆管炎、胆嚢炎、閉塞性黄疸などに対する内視鏡的胆道ステント留置術で、内視鏡的治療のみならず経皮的な緊急手術、処置を24時間体制で行っています。5番目に多いのは早期の胃十二指腸癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)です。当科が最も得意とする疾患領域と治療技術であり、通常4~7日間の入院期間で、当院での診断症例だけでなく、他医療機関からの紹介症例の治療も多数行っています。またESDについては胃がんのみならず、食道や大腸の病変に対しても行っています。これらの他にも、肝癌に対するラジオ波焼灼術(RFA)や胃瘻造設術なども数多く取り扱っています。

循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの 64 1.34 3.30 1.6 68.81
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 40 1.48 1.60 0.0 71.18
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 31 2.61 8.13 9.7 79.90
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 30 1.07 2.00 0.0 77.47
K5463 経皮的冠動脈形成術 その他のもの 25 1.88 1.04 0.0 72.84
高齢化に伴い、心房細動の発症が増加しており、心不全治療の観点からもRFCA(カテーテルアブレーション治療)の件数が昨年より増えています。
虚血性心疾患に対するPCI(冠動脈インターベンション)、下肢閉塞性動脈硬化症等の末梢動脈疾患に対する血管拡張術については近隣の心臓血管外科と連携を取り、患者さんに最善の治療を選択しております。また、徐脈性不整脈等に対するペースメーカー移植術は昨年から患者さんの状態に応じてリードレスペースメーカの植え込みも行っています。

外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 120 1.02 3.57 1.7 64.18
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 105 1.06 2.82 1.0 71.29
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 58 2.88 10.57 5.2 73.67
K718-22 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴うもの 25 0.36 9.20 0.0 56.92
K7434 痔核手術(脱肛を含む。) 根治手術(硬化療法(四段階注射法によるもの)を伴わないもの) 21 0.95 1.14 4.8 62.10
胆石症に対する胆嚢摘出術は,病悩期間の短縮のため高度炎症症例の一部も手術適応とし,対象症例が増加しました.また,そのほとんど を鏡視下手術で行っております.大腸,胃の悪性疾患に対する手術も根治性を損なうことなく,低侵襲を目的として積極的に鏡視下で行っており,ロボット支援下内視鏡手術を導入し、順調に症例数を伸ばしています。

乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・腋窩部郭清を伴わない 77 1.12 8.18 0.0 67.53
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術・腋窩部郭清を伴わない 51 1.00 5.94 0.0 63.53
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・腋窩郭清有胸筋切除無) 27 1.04 9.19 0.0 64.96
乳腺外科が扱う乳腺悪性腫瘍に対する切除術は、診療報酬において術式が細分化されてしまうため最も多い術式として表のような値の表記となっていますが、乳癌に対する切除術全体としては年間約200例の手術を施行しています。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 11 1.55 8.18 0.0 65.64
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える 10 2.50 8.10 0.0 66.60
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除))
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除)
K5132 胸腔鏡下肺切除術(その他のもの)
奈良県の地域がん診療連携拠点病院であり、呼吸器外科合同委員会による専門研修連携施設の認定を受けている当院では、2023年度に42例の呼吸器外科手術を行なっております。内訳は原発性肺がんが19例と最も多く、続いて転移性肺腫瘍(9例)となっております。
当科の手術は、そのほとんどの症例を「胸腔鏡手術」で行なっております。また通常では位置同定が難しい微小な肺病変に対しても、独自の手法を用いることにより的確に切除することが可能となっております。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 51 0.43 8.20 15.7 79.96
K178-4 経皮的脳血栓回収術 17 0.47 25.71 64.7 78.53
K1781 脳血管内手術(1箇所) 14 4.71 26.00 28.6 72.14
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭・脳内) 11 0.00 25.00 81.8 73.09
K609-2 経皮的頚動脈ステント留置術
厚生労働省の指示に従い診断群分類別患者数上位5位までを呈示しました。尚、2023年1月1日から12月31日の脳神経外科治療(手術)総数は216件で、脳動脈瘤26例(開頭クリッピング術8例、血管内コイル塞栓術18例)、脳腫瘍14例、脳内出血19例(神経内視鏡及び開頭)、血行再建術44例、頭部外傷77例(急性及び慢性硬膜下血腫等)、血栓回収術7例でした。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(股) 146 1.10 20.49 8.9 71.68
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) 95 2.09 13.06 23.2 71.38
K0461 骨折観血的手術(大腿) 94 1.95 17.13 53.2 77.46
K0462 骨折観血的手術(前腕) 65 0.49 4.91 1.5 64.83
K0811 人工骨頭挿入術(股) 64 2.42 19.64 71.9 81.63
整形外科手術主要5項目は診断分類別主要5項目とほぼ一致している。
変形性股関節症、特発性大腿骨頭壊死症、リウマチ性股関節症、若年の大腿骨頚部骨折、大腿骨近位部骨折後遺症に対して人工股関節置換術を行っているため人工股関節置換術の手術数が最も多い。
脊椎外科では腰部脊柱管狭窄症に対する術式として脊椎固定術、後方除圧が行われている。高齢者骨折上位の大腿骨近位部骨折に対して観血的固定術、人工骨頭挿入術が行われているため上位に入っている。橈骨遠位端骨折に対して行われる観血的固定術がそれに次ぐ結果である。

形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・腋窩部郭清を伴わない 16 1.00 9.19 0.0 53.25
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 12 1.50 4.67 0.0 78.83
K0063 皮膚腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6㎝以上12㎝未満) 12 0.33 2.00 0.0 54.50
K2193 眼瞼下垂症手術 その他のもの 12 0.17 1.17 0.0 59.50
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 11 0.00 1.00 0.0 73.18
"入院を要した手術症例としては、皮膚悪性腫瘍切除術、眼瞼下垂症手術、乳腺悪性腫瘍手術、乳房再建術が多くなっています。当科では他にも、先天性疾患である口蓋裂や多指症の形成術、術後や外傷後瘢痕の再建術等を幅広く取り扱っています。
「乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)」はDPCデータ上の主たる手術として挙がっていますが、乳腺外科と形成外科が共同して乳癌に対する乳房切除術と同時再建術を行っている症例を意味しています。"
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術・電解質溶液利用のもの 59 1.12 3.20 0.0 75.90
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用のもの) 41 0.98 3.34 0.0 78.39
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) 37 1.11 2.89 0.0 70.08
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器用) 27 1.00 7.11 0.0 70.19
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純なもの 27 0.96 1.07 0.0 72.70
手術件数は増加してきており、日帰りでの前立腺針生検145例を含めると約450件の手術を行いました。当院は泌尿器科悪性腫瘍に対する手術を内視鏡支援下機器(Da Vinci Xi)等の最新の機器を用いて治療を行っております。その他、排尿障害に関する前立腺肥大症、尿路結石といった泌尿器科疾患にも対応しております。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8981 帝王切開術(緊急切開) 45 0.84 7.60 0.0 31.89
K8982 帝王切開術(選択切開) 41 5.22 7.39 0.0 32.39
K877 子宮全摘術 35 2.34 7.49 0.0 54.31
K893 吸引娩出術 23 0.48 5.74 0.0 30.48
K861 子宮内膜掻爬術 23 0.09 0.78 0.0 54.74
2023年度は手術場で産科および婦人科の手術を232件行いました。当科で取り扱う主要手術症例の多くは周産期関連が占めています(1、2、4番目)。当院では、すでに前のお子さんを帝王切開で産んだことのあるかたや、さまざまな合併症を抱えた高齢のハイリスクの妊婦が多いため、帝王切開術が上位となっています(1、2番目)。また経腟分娩でも、胎児機能不全などによる急速遂娩には吸引娩出術などの器械分娩が必要となります(4番目)。婦人科領域では子宮筋腫や卵巣嚢腫などの良性腫瘍手術(3番目)を数多く施行していますが、子宮頸癌に対する円錐切除術や、子宮体癌や卵巣癌などの悪性腫瘍手術にも対応しています。わが国の子宮体癌は近年増加傾向にあり、その診断のために行う子宮内膜搔爬術が5番目となっています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 463 0.04 2.00 0.0 76.39
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの 27 0.19 4.56 0.0 68.37
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術 その他のもの
K2822 水晶体再建術 眼内レンズを挿入しない場合
K2821イ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 縫着レンズを挿入するもの
入院症例の90.3%を占めるのが白内障に対する水晶体再建術で、1回の入院で片眼・両眼のいずれを治療されるかによって入院日数が異なります。次に多い症例は、網膜硝子体疾患である黄斑手術、網膜剥離に対する手術が続きます。
耳鼻いんこう科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 46 0.96 4.09 0.0 23.28
K4611 甲状腺部分切除術(片葉) 19 1.00 4.58 0.0 53.16
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数)副鼻腔手術) 13 1.00 3.08 0.0 59.08
K4571 耳下腺腫瘍摘出術(浅葉) 12 1.00 3.75 0.0 57.58
K4631 甲状腺悪性腫瘍手術(切除) 11 1.00 4.36 0.0 65.64
当科の手術で最も多いのは口蓋扁桃摘出術(アデノイド切除も含む)ですが、耳鼻科一般臨床で頻度の高い慢性扁桃炎、あるいは口蓋扁桃肥大、アデノイド増殖症による気道障害に対する手術は市中病院としての役割と考えています。次に多い甲状腺良性腫瘍は頭頸部領域では最も多い腫瘍で、サイズの大きい場合や増大傾向のある場合は悪性の可能性もあり手術を施行しています。慢性副鼻腔炎に対する手術は、難病指定である好酸球性副鼻腔炎など重症症例に対する手術症例が増加しています。耳下腺の良性腫瘍も多くはないですが、良性でも悪性転化する場合があり手術をお勧めしています。甲状腺悪性腫瘍も例年多い手術の一つです。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一
異なる 15 0.17
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 12 0.14
異なる
当院DPCデータ上、医療資源を最も投入した傷病名がDIC、敗血症、その他の真菌症、手術・術後の合併症の分類にあたる症例数や発生率は上表の通りでした。(年間を通して10件に満たない項目は数値を表示しておりません。)この表において、医療資源を最も投入した傷病名が入院契機の病名と同じ症例は入院の時点で既にその疾患をもたれており、その治療を主目的に入院された症例、入院契機と異なる症例は別の疾患の治療を目的に入院された後に疾患が見つかった、あるいはその疾患に罹患した症例と読み取ることができます。当院においては合併症を起こさないように各科で最大限の注意を払いつつ医療を行っておりますが、残念ながら手術や処置においては一定の割合で合併症は生じます。それに関しては手術や処置を施行する前に十分患者さんに説明して、可能性のある合併症についてご理解いただくようにしています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
1427 1167 81.8
肺血栓塞栓症を引き起こすリスクの高い患者様に対する、予防対策の実施率を示しています。肺血栓塞栓症はエコノミークラス症候群ともいわれ、血栓が肺に詰まることで呼吸困難や胸痛を引き起こし、死に至ることもある疾患です。寝たきりの方や下肢の手術後に発症することが多く、弾性ストッキングの着用など適切な予防対策が必要となります。
当院におきましては、全身麻酔や脊髄くも膜下麻酔で手術を受ける患者様には、弾性ストッキングや血栓予防装置(フットポンプ)を着用し血栓症の予防策を実施しています。
手術後も患者様が歩き始めるまでは血栓予防装置を使用して、肺血栓塞栓症を未然に防げるよう取り組んでいます。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
1988 1690 85.0
血液培養検査は、血液中の細菌を同定し、必要な抗菌薬を使用することを目的としています。そのため検査の精度が重要となってきます。
血液培養検査を複数セット採取することで、検査の精度が高くなるため、2セット以上の 採取が推奨されています。
また、真の菌血症と採血時の汚染を鑑別し、適切な治療を行うために2セット以上の 採血を行うことが重要な検査です。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
589 558 94.7
感染症診療において原因となる微生物を特定し、それに対する治療を行うことは大変重要なことです。特に経験的治療として幅広い範囲の細菌を標的として抗菌薬を開始する場合は、投与開始前に培養検査が必要とされております。当院におきましては、広域の抗菌薬を使用する際には事前に各種培養検査を行っており、原因菌が判明後は標的治療として狭域の抗菌薬へ変更を行うことで確実な効果が得られるとともに耐性菌の出現をできるだけ抑えるよう尽力しております。
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