平成28年度 市立奈良病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 872 265 329 506 591 822 1726 2171 1565 336
高齢の方が占める割合が高く、60代が全体の18.8%、70代以上が全体の44.3%となっています。
また、当院では小児科救急に力を入れ、輪番に参加しているので15歳未満の入院が約11%を占めています。
若年層である20~30代の入院のうち約54%は周産期に関連した入院となっています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 定義副傷病なし 73 13.90 12.43 11.0% 73.62
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 71 21.70 21.25 40.8% 85.39
0400801499x001 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なしA-DROP スコア1 19 11.63 13.60 10.5% 83.89
161060xx99x0xx 詳細不明の損傷等 手術なし 手術・処置等2なし 13 2.38 4.19 0% 44.08
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 12 4.58 3.64 8.3% 44.42
内科では、尿路感染症、肺炎といった一般感染症疾患の診療を多く担っています。誤嚥性肺炎の場合、平均より長期の入院を要し、
また、転院を要する必要が高い特徴があります。感染症以外では、薬物中毒などの救急疾患入院も担当しています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 29 3.34 3.68 0% 67.79
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし 15 36.40 19.92 13.3% 71.60
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 15 27.13 12.35 0% 62.47
040040xx9905xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等25あり - - -
040040xx9908xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等28あり - - - - -
呼吸器内科は平成28年1月から入院診療を再開しました。入院対象疾患で最も多いのは肺癌です。DPCコードの違いにより複数項目に別れており、2番目の間質性肺炎以外の上位を占めています。肺癌の診断と治療には組織生検が必要です。1番目のDPCコードは組織生検目的の平均3日間の検査入院を反映しています。肺癌の治療入院は標準的な化学療法で1コース1か月弱、免疫療法や分子標的治療薬で1~2週間、胸部への根治的放射線治療では2か月弱の入院期間が目安です。2番目の間質性肺炎は、通常の肺炎と異なり肺の間質に炎症をきたす疾患で、原因不明の特発性間質性肺炎は難病に指定されています。呼吸器内科は肺癌含め難治性の疾患が入院対象となることが多いですが、最新のエビデンスに基づいた診断・治療を常に心掛けています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 定義副傷病 なし 260 2.23 2.72 0% 67.06
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2なし 81 12.62 11.74 3.7% 72.57
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 80 10.08 11.06 7.5% 75.24
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 手術・処置等2なし 72 7.10 9.02 1.4% 73.71
060290xx99x0xx ■慢性肝炎(慢性C型肝炎を除く。) 手術なし 手術・処置等2なし 45 9.47 8.73 0% 55.89
消化器内科の疾患別入院で、最も多いのは大腸腫瘍(ポリープ、早期がん)に対する内視鏡的治療です。5名の消化器内視鏡専門医で全例にCO2送気を用い、より苦痛の少ない大腸内視鏡検査、治療を行っています。小さなポリープは外来での切除を基本としていますが、大きな病変に対する内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は入院で行っています。次に多いのは肝細胞がんを中心とする肝臓の悪性腫瘍です。2名の肝臓専門医が診断からラジオ波焼灼術(RFA)、放射線科専門医と共同で行う血管塞栓術(TAE, TACE)、さらに薬物治療まで一貫して診療にあたります。3番目に多いのが胆管炎、胆嚢炎、閉塞性黄疸などの腹部緊急症です。腹痛、発熱、黄疸などの症状で救急受診、また他院から紹介されてくる多くの症例に対し、救急専門医とも協力して短時間で的確に診断し、内視鏡的、または経皮的な緊急治療を24時間体制で行っています。4番目に多いのは早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)目的の入院です。当科が最も得意とする疾患領域であり、当院での診断症例だけでなく、他医療機関からの紹介症例の治療も多数行っています。5番目は慢性肝疾患の診断・治療目的の入院です。当科では特に肝細胞がんの発生原因となる慢性肝炎や脂肪肝炎を重視し、積極的に診断、治療を行っています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 137 4.85 4.71 0.7% 70.05
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 134 3.12 3.06 2.2% 70.34
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 106 18.58 17.95 9.4% 81.48
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2なし 54 6.57 5.51 1.9% 64.87
050030xx97000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 その他の手術あり 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 36 13.58 13.02 2.8% 68.69
生活様式の欧米化や高齢化にともない、動脈硬化性疾患(心血管系疾患,脳血管障害など)による死亡が本邦における死因の約3分の1におよぶ中、狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患や,高血圧に起因する心不全が増えています。当科では虚血性心疾患に対する冠動脈造影検査や冠動脈有意狭窄病変に対する経皮的冠動脈形成術を数多く行っています。また,下肢閉塞性動脈硬化症に対する血管形成術も年々増加しています。当院では救急医療に力を入れており、急性または慢性心不全の急性増悪により救急搬送されてくる患者さんを数多く受け入れています。これらの患者さんは急性期の治療ののちに心臓リハビリテーションを受けて退院・転院されることが多いです。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 53 16.79 16.54 28.3% 64.94
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 29 16.24 16.73 13.8% 73.79
010160xx99x00x パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 27 20.59 18.71 11.1% 73.70
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 24 14.00 7.12 12.5% 65.33
010080xx99x00x 脳脊髄の感染を伴う炎症 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 16 12.56 9.36 0% 36.13
急性期脳梗塞が上位を占めています。当院では発症後4時間30分以内の脳梗塞患者にt-PA血栓溶解療法を行っています。さらに発症後6時間以内の脳梗塞患者に脳血栓回収術を行っています。その他急性神経疾患である神経炎症性疾患(脳炎、髄膜炎、ギランバレー症候群など)、てんかん重積患者の診療も行っています。一方神経難病のパーキンソン病患者に対して薬剤調整やリハビリテーション(LSVT)を行っています。
糖尿病内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100070xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等21あり 定義副傷病なし85歳未満 39 10.31 14.61 0% 60.21
100070xx99x000 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし85歳未満 24 9.21 11.48 0% 64.13
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - - - -
100070xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等21あり 定義副傷病あり85歳未満 - - - - -
06007xxx01010x 膵臓、脾臓の腫瘍 膵頭部腫瘍切除術 血行再建を伴う腫瘍切除術の場合等 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 定義副傷病なし - - - - -
糖尿病内科において,入院症例の大多数を占めるのは,インスリン導入を含めた1型および2型糖尿病の教育入院です.この中には,他診療科の手術前の血糖コントロールも含まれています.1~2週間の入院中に,糖尿病が自己管理できるよう,糖尿病療養指導士(CDE)の資格をもったスタッフが指導を行います.
外科;乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x002xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 83 5.71 4.97 0% 66.98
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 82 6.48 7.61 0% 58.44
090010xx03x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 手術・処置等2なし 70 7.53 6.59 0% 59.83
090010xx02x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 単純乳房切除術(乳腺全摘術)等 手術・処置等2なし 54 9.65 10.30 0% 66.39
090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等2なし 48 11.33 11.57 0% 61.02
当院の外科は、疾患に応じて「一般外科・消化器外科」と「乳腺外科」がそれぞれ独立して診療にあたっています。
一般外科・消化器外科で多い疾患は、胆嚢結石症・大腸癌・鼠径ヘルニアの順です。
胆嚢結石症は、急性胆嚢炎・急性閉塞性化膿性胆管炎で発症し、消化器内科で診断・緊急治療を受けた後、消化器外科に転科、腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行する症例が極めて多いのが特徴です。大腸癌は早期癌・進行癌ともに年々増加しており、そのほとんどを腹腔鏡下の切除を行っています。術後の補助化学療法も消化器外科で行っています。鼠径ヘルニアは数年前までは前方アプローチが主でしたが、最近はほとんどの症例で腹腔鏡下修復術を施行しています。5mmの創が3か所あるのみなので、術後創部痛は極めて軽微なのが特徴です。

乳腺外科では、乳腺疾患に関してより専門性の高い医療を提供できるように、資格を持った人材や設備を整えて診療を行っています。特に乳癌に対しては診断から手術、化学療法、放射線治療、乳房再建手術など、一貫して当院で行えるシステムを構築しており、近隣の皆様に多くの支持をいただいております。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x10x 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等21あり 定義副傷病なし 25 13.48 21.29 0% 69.92
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 15 10.33 10.09 0% 34.33
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2なし - - - - -
160450xx99x1xx 肺・胸部気管・気管支損傷 手術なし 手術・処置等2あり - - - - -
040020xx97xxxx 縦隔の良性腫瘍 手術あり - - - - -
奈良県の地域がん診療連携拠点病院である当院は、日本呼吸器外科学会より呼吸器外科手術の施設認定を受けております。平成28年度は年間48例の手術を行い、そのうち原発性肺がんが27例となっております。気胸に対する手術も積極的に施行しております。
当科の手術は、そのほぼ全例を「胸腔鏡手術」で行なっております。また通常では難しいとされる「小さな病変を的確に切除する」ことも、独自の手法を用いながら執り行なっております。
さらに従来の手術治療だけでなく、術後補助化学療法を含めた化学療法や放射線療法、あるいは手術前後の栄養指導や呼吸リハビリテーションも行い、肺がんの包括的な治療を目指しております。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010040x099x00x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 51 20.37 19.35 68.6% 65.43
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 45 11.29 11.83 11.1% 78.20
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 17 6.35 3.20 0% 59.53
010070xx9910xx 脳血管障害 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 13 3.92 3.25 0% 67.92
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 13 10.15 7.52 15.4% 74.31
脳動脈瘤の治療は、当科の場合、開頭クリッピング術と血管内手術(コイル塞栓術)の両方を行っています。病状に応じて最適の方法を選択しています。さらに、救急車の受け入れを積極的に行っているため、頭部外傷や脳卒中が多く、急性期の治療を行っています。高齢者の慢性硬膜下血腫も多い疾患です。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 102 29.96 27.63 67.6% 80.50
070343xx99x1xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 手術なし 手術・処置等21あり 67 3.04 3.07 1.5% 70.60
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 その他の手術あり 手術・処置等2なし 63 20.92 17.99 12.7% 72.79
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 62 30.03 26.26 21.0% 73.73
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病なし 44 7.61 5.49 2.3% 56.50
整形外科は外傷および脊椎外科、膝関節外科、手外科を中心に治療を行っています。当院は急性期病院ですので、積極的に救急患者さんを受け入れています。そのため高齢の大腿骨骨折の患者さんが多くなっています。高齢の患者さんのリハビリには時間を要するため、多くの方がリハビリ治療を専門としている病院に転院されています。脊柱管狭窄症も多い疾患ですが、約70名の方が短期間の検査入院を受けられ、このうち60名程度の方が後日手術を受けられています。膝関節外科は人工関節置換術を主に行っていますので、リハビリのため在院日数が比較的長くなる傾向があります。前腕(手関節)の骨折は比較的高齢の方は少なく短期間の入院で自宅に退院されることが多くなっています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし 23 3.00 3.44 0% 70.70
180040xx97x0xx 手術・処置等の合併症 その他の手術あり 手術・処置等2なし 22 10.00 15.58 0% 52.73
090010xx02x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 単純乳房切除術(乳腺全摘術)等 手術・処置等2なし 21 13.38 10.30 0% 49.90
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術・処置等1なし 20 2.40 5.11 0% 53.50
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし 16 3.88 4.28 0% 53.25
当科では、日本形成外科学会の定める11項目を中心に各種形成外科診療を行っています。
入院患者では、皮膚の良性腫瘍症、眼瞼下垂、乳がん切除後の再建などの手術を最も多く取り扱い、その他、悪性腫瘍の切除と再建、顔面外傷や口唇その他の先天異常症の手術、熱傷、褥瘡や糖尿病性足病変の治療などを実施しております。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 125 5.15 5.79 0% 4.96
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 101 5.02 6.42 2.0% 2.63
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 定義副傷病なし 98 5.04 6.02 1.0% 1.19
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等1 あり 68 1.06 2.26 0% 2.24
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 45 4.40 5.50 0% 4.44
 一般小児急性疾患、救急を中心に、地域の二次病院の中核として診療を行い、昨年度の入院患者は898人でした。平均在院日数が4.3日と短く、入院患者の多くは急性疾患で、特に肺炎、気管支炎、気管支喘息など呼吸器感染症、次に急性胃腸炎などの消化器感染症などが多くを占めた。また腎疾患ではIgA腎症、紫斑病性腎炎などの慢性腎炎やネフローゼ症候群などがみられた。症例によっては腎生検も行っている。また食物経口負荷試験(OFC)や成長ホルモン負荷試験などの検査入院もあり、とくに食物アレルギー患者さんの増加に伴い、OFCの日帰り入院患者数が増加し、今後もさらに増加するものと予想される。救急患者は積極的に受け入れており、入院患者の約うち185人は夜間休日の時間外入院でした。救急入院では急性の感染症以外に、けいれん性疾患や腸重積症、アナフィラキシーなどの疾患がみられた。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080011xx99xxxx 急性膿皮症 手術なし 27 10.00 11.97 3.7% 67.11
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 11 9.73 8.96 0% 77.73
080190xxxxxxxx 脱毛症 - - - - -
080100xxxx0xxx 薬疹、中毒疹 手術・処置等1なし - - - - -
080090xxxxxxxx 紅斑症 - - - - -
1番目の急性膿皮症は細菌感染に伴う蜂窩織炎や丹毒です。発熱・体調増悪がある場合入院治療を行います。
2番目の帯状疱疹は、ウィルスによる有痛性の発疹です。重症になれば発熱・倦怠感が増悪し、入院治療となります。
3番目の脱毛症は、広範な円形脱毛症に対しステロイドのミニパルス治療で3日間点滴を行います。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 42 5.88 7.44 0% 73.26
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術 36 6.06 9.98 2.8% 73.31
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術等 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 36 4.39 5.83 0% 65.47
110080xx01x0xx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし 21 10.48 13.39 0% 69.81
110060xx01x0xx 腎盂・尿管の悪性腫瘍 腎(尿管)悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし - - - - -
当院では泌尿器科癌の手術、前立腺肥大症の経尿道的内視鏡手術、尿路結石症の内視鏡手術が中心です。最も多くなっている膀胱癌の経尿道的手術は、治療もさることながら診断としても重要です。前立腺癌の診断では当院では入院せずほとんどの方が外来日帰りで針生検(年間平均80件)を受けておられますので件数としてはあがっていません。当院での前立腺癌に対する根治術では、通常手術では治しにくいと言われる局所進行癌に対して少し広めに切除する開腹手術を採用していますが、最近では開腹手術でも内視鏡カメラを用いながら小さい傷(小切開)で行うようにしています。
結石治療では最新のレーザーと軟性尿管鏡を用いた経尿道的手術で結石を見ながら、衝撃波より、より確実に除去するようにしています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120260xx01xxxx 分娩の異常 子宮破裂手術等 102 11.09 9.77 0% 32.34
120170xx99x0xx 早産、切迫早産 手術なし 手術・処置等2なし 73 23.82 20.79 8.2% 29.66
120140xxxxxxxx 流産 52 1.19 2.43 0% 32.19
120260xx02xxxx 分娩の異常 骨盤位娩出術等 52 6.98 6.63 0% 30.81
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 35 11.77 10.05 0% 44.03
平成28年度の分娩は532件あり、妊娠や出産に関する疾患での入院患者が診断群分類別患者数では上位を占めているようです。
妊娠される方の年齢が年々高齢化しているのに伴いハイリスクの妊婦さんも増加しますが、当院では帝王切開での出産が毎年全分娩件数の30%前後となっており、これが分娩の異常(1番目)として集計されているようです。妊婦の5%は早産しますが、早産を防ぐ目的で入院していただいている患者さん(切迫早産)が2番目に多いようです。
残念ながら入院によっても軽快しない妊婦さんはNICUのある周産期医療センターに搬送しています(転院率5%)。
妊婦が高齢になると流産も増加します(3番目)。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 405 2.66 2.91 0.5% 73.38
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 191 6.16 6.23 0% 75.81
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 14 10.79 7.72 0% 67.36
020240xx97xxx0 硝子体疾患 手術あり片眼 11 9.36 7.01 0% 69.27
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり片眼 10 13.70 10.53 0% 63.70
当院眼科の入院は、ほとんどが手術を受けていただく患者様です。また、昨年度の入院患者683名のうち、89.6%の患者様が白内障に対する水晶体再建術であるため、比較的ご高齢の方が多い特徴にあります。
現在は、片眼で1日から3日間入院で、両眼の場合、片眼ずつ少し間隔をあけて手術をされるか、7日間の入院で両眼とも手術してしまうか、年齢・全身状態・居住地を鑑みて相談させていただいております。
 次に多い症例は、網膜硝子体疾患である網膜剥離、糖尿病性網膜症手術になります。これら疾患は、術後安静が必要となりますので、約1週間の入院とさせていただいております。
耳鼻いんこう科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 45 7.27 8.12 0 19.87
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 34 5.09 7.47 0 55.50
030428xxxxxxxx 突発性難聴 31 7.90 9.37 0 59.42
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 29 5.62 5.50 0 37.76
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 25 6.76 5.24 0 66.44
当科で最も入院が多かったのは口蓋扁桃摘出術(アデノイド切除も含む)です。慢性扁桃炎、あるいは口蓋扁桃肥大、アデノイド増殖症による気道障害は耳鼻咽喉科疾患の中で多く、それに対する手術は市中病院としての役割と考えています。慢性扁桃炎の程度が強い症例は遅発性出血のリスクのため術後入院期間を長めにしており、平均在院日数が7.27日になっています。副鼻腔炎はアレルギー性鼻炎を原因としたものが近年増加傾向であり、保存的治療で軽快しないため紹介された症例に対して内視鏡手術を施行しました。手術目的以外の入院は、重症な突発性難聴、急性扁桃炎など飲水困難な上気道感染、めまい症例が多く、緊急入院を要したものでした。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 87 13 13 42 - 12 1 6,7
大腸癌 28 17 77 40 - 12 1 6,7
乳癌 75 79 10 - - 18 1 6,7
肺癌 22 - 11 53 11 6 1 6,7
肝癌 - 19 30 - - 72 1 6,7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院は平成20年度から地域がん診療連携拠点病院に指定されており、手術、放射線治療及び化学療法を効果的に組み合わせた集学的治療や緩和ケアを提供する体制を有し、患者さんの状態に応じて各学会の診療ガイドラインに準じた標準的な治療を提供しています。
取り扱う癌の種類は、表にあるような5大癌だけではなく、脳や生殖器系、皮膚等様々です。また乳房再建など失われた器官の再建や癌に関連した血管内治療も積極的に行っています。
そして、身体的な治療だけではなく、患者さん、ご家族に寄り添いながらQOL(Quality Of Life)向上をめざし、適宜心療内科や臨床心理士の介入によって精神的なケアも行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 18 8.94 53.33
中等症 81 13.22 79.83
重症 30 16.30 85.93
超重症 - - -
不明 - - -
A-DROPスコアを用いて判定した結果を示しており、重症度0は軽症、重症度1~2は中等症、重症度3は重症、重症度4~5は超重症の状態です。
市中肺炎(院外で発症した肺炎)で入院された症例は、年齢層があがると重症度があがり、平均在院日数が伸びているという傾向にあります。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 22 5.95 72.64 0%
その他 - - - -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 234 23.21 75.13 38.9%
その他 21 17.90 69.38 42.9%
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 27 8.37 71.37 0%
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内 - - - -
その他 - - - -
当院では、平成27年6月に脳卒中センター(神経内科・脳神経外科)を設置し、
脳卒中ホットライン(近隣医療機関や救急隊から専門医に直接診療依頼が可能)を運用しています。
脳卒中専門医や脳血管内治療指導医を中心にホットラインを活用しながら急性期の脳梗塞治療にあたっています。
発症後4時間30分以内の脳梗塞患者にはt-PA血栓溶解療法、さらに発症後6時間以内の脳梗塞患者には
脳血栓回収術を行っています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 267 0.26 1.18 0% 67.19
K6152 血管塞栓術(選択的動脈化学塞栓術) 80 1.86 9.70 3.8% 72.14
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 74 1.03 5.20 1.4% 73.31
K654 内視鏡的消化管止血術 54 0.30 8.63 5.6% 70.20
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 47 0.96 14.19 8.5% 80.89
手術症例が最も多いのは大腸腫瘍(ポリープ、早期がん)に対する内視鏡的ポリープ切除術で、5名の消化器内視鏡専門医が全例にCO2送気を用い、より苦痛の少ない大腸内視鏡検査で高レベルの診断、治療を行っています。小さなポリープは外来での切除を基本としていますが、入院で行う大きな病変に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は当科の最も得意としている治療技術です。2番目に多いのは肝細胞がんに対する血管塞栓術で、2名の肝臓専門医が担当します。塞栓する血管の部位や塞栓物質の選択は、当院の放射線科専門医との密な連携のもとに判断しています。3番目に多いのは早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)です。当科が最も得意とする疾患領域であり、当院での診断症例だけでなく、他医療機関からの紹介症例の治療も多数行っています。4番目に多いのは内視鏡的消化管止血術です。胃潰瘍、胃癌、十二指腸潰瘍などからの出血による吐血、下血に対し、緊急内視鏡検査を行って直ちに診断した後に、そのまま止血術を行います。食道静脈瘤に対する内視鏡的食道静脈瘤硬化療法(EIS)や結紮術(EVL)も多数行っており、また最近では大腸憩室からの急性出血などに対しても、積極的に緊急大腸内視鏡検査を行い止血術まで行っています。5番目に多いのが胆管炎、胆嚢炎、閉塞性黄疸などに対する内視鏡的胆道ステント留置術です。腹痛、発熱、黄疸などの症状で救急受診、また他院から紹介されてくる多くの症例に対し、救急専門医とも協力して短時間で的確に診断し、内視鏡的、または経皮的な緊急治療を24時間体制で行っています。
これらの他にも、肝癌に対するラジオ波焼灼術(RFA)や胃瘻造設術なども数多く取り扱っています。

外来診療を含めた内視鏡実績についてはコチラ
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 121 2.00 1.98 0.8% 70.55
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 45 1.84 4.13 0% 73.62
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 43 2.05 4.33 2.3% 66.53
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 29 0.14 12.48 10.3% 72.07
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 28 0.00 12.79 0% 66.46
虚血性心疾患に対するPCI(冠動脈インターベンション)、下肢閉塞性動脈硬化症等の末梢動脈疾患に対する血管拡張術、
徐脈性不整脈等に対するペースメーカー移植術が上位を占めています。
当科では他にもRFCA(カテーテルアブレーション治療)や、重症循環不全・心肺停止症例に対する積極的な集中治療(PCPS,IABP,低体温療法)を行っています。
外科;乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 89 1.34 3.83 0% 67.54
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 82 1.13 4.34 0% 58.39
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術)(腋窩部郭清を伴わない) 71 1.00 5.61 0% 60.20
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術)(腋窩部郭清を伴わない) 52 1.00 7.60 0% 66.23
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術)(胸筋切除を併施しない) 39 1.15 9.54 0% 60.64
消化器外科で最も多いのは、鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡手術、次に胆嚢結石症に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術です。表にはありませんが、次に多いのは消化器系の癌に対する悪性腫瘍切除術で、多様な悪性腫瘍に対応しています。他にも虫垂炎に対する虫垂切除や内痔核に対する痔核手術等、様々な手術を取り扱っています。
乳腺外科が扱う乳腺悪性腫瘍に対する切除術は、診療報酬において術式が細分化されてしまうため最も多い術式として表のような値の表記となっていますが、乳癌に対する切除術全体としては年間約200例の手術を施行しています。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) 17 3.29 7.47 5.9% 38.18
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 13 3.54 8.00 0% 71.54
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) - - - - -
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) - - - - -
K513-2 胸腔鏡下良性縦隔腫瘍手術 - - - - -
奈良県の地域がん診療連携拠点病院である当院は、日本呼吸器外科学会より呼吸器外科手術の施設認定を受けております。平成28年度は年間48例の手術を行い、そのうち原発性肺がんが27例となっております。気胸に対する手術も積極的に施行しております。
当科の手術は、そのほぼ全例を「胸腔鏡手術」で行なっております。また通常では難しいとされる「小さな病変を的確に切除する」ことも、独自の手法を用いながら執り行なっております。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 47 0.66 9.77 10.6% 77.55
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 12 1.00 39.17 50.0% 57.33
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭)(脳内) 11 0.18 48.09 90.9% 62.27
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 11 6.55 44.00 27.3% 63.82
K1642 頭蓋内血腫除去術(開頭)(硬膜下) - - - - -
慢性硬膜下血腫に対する慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術、脳動脈瘤に対する開頭クリッピング術、脳内出血に対する開頭血腫除去術、脳腫瘍に対する頭蓋内腫瘍摘出術が上位を占めています。他にも頭部外傷の頭蓋内血腫除去術、脳動脈瘤に対するコイル塞栓術、脳内出血に対する定位的血腫吸引術、頚動脈狭窄症に対するCEAやステント留置、水頭症のシャント手術などを行っています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 97 3.71 19.94 48.5% 72.98
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 椎弓形成 79 1.66 23.30 17.7% 72.72
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 76 2.17 26.70 21.1% 73.33
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 74 1.24 11.14 9.5% 61.00
K0463 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他 48 1.48 7.60 4.2% 53.27
骨折に対する観血的手術が上位となっています。特に大腿骨に対する手術が多いのは高齢者の転倒等による大腿骨の頚部骨折や転子部骨折の増加の影響と考えられます。また前腕の骨折は交通外傷やスポーツ競技中の事故によるものが多くを占めます。また脊椎疾患に対する椎弓形成術や固定術も当科では多い手術です。3番目の人工関節置換術(膝)は、高齢者の変形膝関節症に対するものですが、最近では人工股関節置換術にも力を入れています。
当科では他にも関節鏡下手術など整形外科領域における多彩な手術を数多く取り扱っています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 22 0.00 1.95 0% 70.64
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 15 0.13 2.33 0% 75.40
K476-4 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術(乳房切除後) 14 1.00 8.64 0% 54.43
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) 12 0.17 1.33 0% 40.25
K0053 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径4cm以上) 12 0.42 2.33 0% 52.17
入院を要した手術症例としては、皮膚の基底細胞癌や有棘細胞癌、ボーエン病等に対する切除術が最も多く、次に乳房再建、続いて様々な皮膚・皮下腫瘍の切除術が多くなっています。
当科では他にも、先天性疾患である口蓋裂や多指症の形成術、術後や外傷後瘢痕の再建術等を幅広く取り扱っています。
※2番目の「乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)」はDPCデータ上の主たる手術として挙がっていますが、
乳腺外科と形成外科が共同して乳癌に対する乳房切除術と同時再建術を行っている症例を意味しています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 42 1.19 3.69 0% 73.26
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用) 36 1.14 3.92 2.8% 73.31
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 35 1.00 2.51 0% 65.66
K843 前立腺悪性腫瘍手術 14 1.29 8.57 0% 69.07
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -
膀胱癌に対する膀胱悪性腫瘍手術、前立腺肥大症に対する経尿道的前立腺手術、尿路結石症に対する経尿道的尿路結石除去術、前立腺癌に対する根治術が上位を占めています。前立腺癌根治術では小切開手術が別に件数がありますが、この年度ではまだ少なく上位に上がっていません。他にも、腎盂腎炎等の尿路疾患に対する経尿道的尿管ステント留置術をはじめ、腎臓や尿管の癌、さらに副腎腫瘍に対する体腔鏡下手術や精巣摘除術、精巣固定術等を取り扱っており、平成28年度は年間約200例以上の手術の他、約100件の日帰り前立腺生検を施行しました。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 90 4.56 8.90 0% 32.26
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 54 3.87 9.13 0% 31.65
K9091 流産手術(妊娠11週まで) 44 0.00 0.09 0% 32.64
K893 吸引娩出術 32 0.44 5.75 0% 30.13
K877 子宮全摘術 30 2.33 8.67 0% 48.33
当科で取り扱う主要手術症例の上位3位はいずれも周産期関連が占めています。
婦人科領域としては、子宮癌や卵巣癌などの悪性腫瘍手術、子宮筋腫や卵巣嚢腫などの良性腫瘍手術も数多く施行しており、平成28年度は手術場で324件の手術を行いました。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他) 598 0.08 2.72 0.3% 74.9
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 27 1.26 9.59 0% 67.15
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) 14 0.86 7.79 0% 66.07
K2821イ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(縫着レンズ挿入) - - - - -
K2822 水晶体再建術(眼内レンズを挿入しない場合) - - - - -
入院症例の89.6%を占めるのが白内障に対する水晶体再建術で、1回の入院で片眼・両眼のいずれを治療されるかによって入院日数が異なります。
次に多い症例は、網膜硝子体疾患である網膜剥離、糖尿病性網膜症に対する手術が続きます。
耳鼻いんこう科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 40 1.00 5.80 0% 21.73
K4631 甲状腺悪性腫瘍手術(切除) 18 1.50 4.78 0% 62.56
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) 16 1.00 3.06 0% 57.56
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 14 1.00 3.21 0% 61.50
K340-4 内視鏡下鼻・副鼻腔手術2型(副鼻腔単洞手術) 11 1.09 3.09 0% 55.09
当科で最も手術が多かったのは口蓋扁桃摘出術(アデノイド切除も含む)です。
慢性扁桃炎、あるいは口蓋扁桃肥大、アデノイド増殖症による気道障害は耳鼻咽喉科疾患の中で多く、それに対する手術は市中病院としての役割と考えています。
甲状腺悪性腫瘍症例は高齢化に伴い近年増加傾向であり手術件数も増えていますが、術後に放射性ヨードによるablation治療が必要な甲状腺全摘を要する進行症例も増加傾向にあります。
副鼻腔炎はアレルギー性鼻炎を起因としたものが近年増加傾向であり、その中でも、汎副鼻腔開放が必要な(4型)重症症例が増加しています。
甲状腺手術も内視鏡副鼻腔手術も比較的短期間の入院で対処可能でありました。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 51 0.56%
異なる - -
当院DPCデータ上、医療資源を最も投入した傷病名がDIC、敗血症、その他の真菌症、手術・術後の合併症の分類にあたる症例数や発生率は上表の通りでした。(年間を通して10件に満たない項目は数値を表示しておりません。)この表において、医療資源を最も投入した傷病名が入院契機の病名と同じ症例は入院の時点で既にその疾患をもたれており、その治療を主目的に入院された症例、入院契機と異なる症例は別の疾患の治療を目的に入院された後に疾患が見つかった、あるいはその疾患に罹患した症例と読み取ることができます。当院の場合、手術・処置等の合併症に分類されるDPCでの請求が年間10例以上生じていることがわかります。
 敗血症の治療に最も医療資源を投入した症例の数は、昨年と比較して減少し、10件未満となりました。敗血症とは、細菌やウイルスなどが体に感染し、それを阻止しようとする体の免疫による防御反応とが関連して生命を脅かす臓器障害を来した状態とされています。
つまりは感染症をきっかけに続発する、より重篤な状態ですので、入院時に敗血症となっている方もいらっしゃれば、入院後に悪化して敗血症となる方もいらっしゃいます。敗血症は、従来から生命を脅かす非常に重篤な病気ですが、全世界で現在進行形に研究がすすんでおり、徐々に救命できるようになってきています。当院では病状の早期把握を心がけ、世界的なガイドラインなどを参考に治療を行っております。
手術・術後の合併症については、大半の症例が医療資源を最も投入した病名と入院契機が同一の症例で51例でした。
入院契機と異なる症例は10件に満たない数でした。
前出の51例の内訳としては、乳癌術後後遺症が最も多く22例でした。これは当院に形成外科があり、乳房切除後の再建目的で治療を行っているためで、本来カウントされるべき意味合いのいわゆる「合併症」の治療とは異なります。
続いて、消化器の後出血は10例あり、生検、EMR、ESD後の出血による再入院でした。整形外科では人工関節置換術後の脱臼が3例、眼科では眼内レンズ脱臼が3例ありました。
この4つで全体の7割近くを占めており、乳癌術後後遺症を除くと合計16例、0.17%でした。当院においては合併症を起こさないように各科で最大限の注意を払いつつ医療を行っておりますが、残念ながら手術や処置においては一定の割合で合併症は生じます。それに関しては手術や処置を施行する前に十分患者さんに説明して、可能性のある合併症についてご理解いただくようにしています。
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