循環器内科

循環器内科では,虚血性心疾患,心不全,末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症),高血圧症(本態性高血圧症,二次性高血圧症,肺高血圧症),不整脈などの心疾患や全身の動脈硬化疾患に対する診断・治療を行なっています.

当院循環器内科は,病床数は20〜30床,CCUは2-4床を有し,24時間365日体制で虚血性心疾患,心不全,不整脈,末梢動脈疾患などの循環器疾患全般に対応しており,多数例のPCI(冠動脈インターベンション),EVT(末梢動脈インターベンション),RFCA(カテーテルアブレーション治療)などを行なっています.

重症循環不全や心肺停止症例に対する積極的な集中治療(PCPS,IABP,低体温療法)も行っています.また,特殊な高血圧症(二次性高血圧症,肺高血圧症など)に対する専門的な治療も行なっています.動脈硬化性疾患(心血管系疾患、脳血管障害など)による死亡が日本人の死因の約30%におよぶ中,循環器内科では,狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患,下肢閉塞性動脈硬化症や腎動脈狭窄などの末梢動脈疾患,心不全,不整脈などの心臓疾患の治療を積極的に行っています.また,奈良県内では数少ない肺高血圧症専門病院として専門的治療(肺高血圧症に対する在宅エポプロステノール持続静注療法,慢性血栓塞栓性肺高血圧に対する肺動脈バルーン形成術など)も行なっています.

更に「患者さんから学ぶ」をモットーに臨床研究を行い,世界に向けて様々な研究発表を行なっています.

外来で可能な検査

心臓CT

当院には64列装置と256列装置各1台の2台で心臓CTの検査をおこなっています。 コンピュータ処理により血管像の3次元表現が可能になり、心臓冠動脈の詳細な撮影も可能となっております。

外来で行う心臓の血管の評価では,冠動脈CTが最も優れているとされており,血管の狭窄度のみならず,冠動脈の性状の診断も可能です.

急性心筋梗塞の発症には,「不安定プラーク」が関与すると言われています.不安定プラークは,心臓の血管が細くないところにも多いとされており,突然発症する心筋梗塞の原因とされています.その不安定プラークを発見する事がとても重要視されており,心臓CTではその不安定プラークの有無がある程度明らかになります.当院では不安定プラークが疑われる患者さんに緊急で心臓CTを行っております.

心臓MRI

シネMRI, 遅延造影MRIなどの検査を行うことができます。
シネMRI:造影剤を使用することで,心臓の動きを詳細に調べることができます.

心臓遅延造影MRI:心筋梗塞などの心筋病変を明瞭に描出することができます.心筋梗塞の他に,心筋疾患,特に心サルコイドーシス,心アミロイドーシスなどの心筋疾患の画像診断が可能となりました.

心筋シンチ

心筋シンチグラムとは、放射線同位元素(ラジオアイソトープ)といわれる放射線を出す物質を投与して、その放射線をシンチカメラというもので検出してそれを画像化し、心臓の筋肉の虚血状態をみる検査です。

@ 負荷心筋シンチ
負荷心筋シンチでは、運動や薬剤により心臓に負担がかかった状態にします。その状態で血流を反映するお薬を注射し、どのくらい心筋細胞に血流が保たれているかをガンマカメラで撮像します。次に、安静な状態で同じお薬を注射し、心筋細胞にどのくらい血流が保たれているかを撮像します。この2つの画像(負荷時と安静時)を比較することで、心筋細胞の血流の状態にどれくらい差があるのかをみます。

A 安静心筋シンチ
心筋細胞のエレルギー源は脂肪酸です。脂肪酸はたくさんの酵素も同時に使います。心筋の血流が少なくなってしまった場合、酵素はできるだけ使わないようにします。そうすると心筋細胞は脂肪酸から糖にエネルギー源を変更します。
この検査では、心臓の血流を反映するお薬と、心臓の脂肪酸代謝を反映するお薬を同時に注射し、1時間後から心臓を撮像します。エネルギー代謝という面から心筋の状態を観察する検査です。

運動負荷時の画像では上、下の領域において血流を反映するお薬が取り込まれていないのが分かります。安静時には取り込まれています。

いわゆる狭心症において虚血が疑われる所見です。 また,他の核種では心臓の交感神経を評価することもできます.

心エコー(GE製,Vivid7,Vivid I,EchoPAC PC)

【心臓超音波とは】
心臓超音波検査(心エコー)とは、人の耳には聞こえないほどの高周波数の超音波を用いて心臓の様子を画像に映し出して診断する検査です。検査も用いる超音波はX線撮影やRI検査のように放射線による被曝の心配がなく安全性が確認されており、妊婦や乳幼児でも安心して受けることができます。また、患者様には検査による侵襲・負担が少なく、多くの情報が得られる検査です。 心室や心房など、心臓の部屋の大きさや壁の厚さ、壁の動き、弁の形態や動きなどがわかります。カラードップラー法を行なうと、心臓の中の血液の流れを映し出すことができ、弁の異常や壁に穴があいているかどうかなどの異常を発見できます。

【検査の目的】
心臓超音波検査を行なう目的は二つあります。一つは心臓の形の異常を発見する形態的診断、もう一つは心臓の働きを見る機能的診断です。特に、心臓は常に拍動していますが、その動いている状態をそのまま観察できる、とても有用な検査です。

【検査の流れ】
一般的な心臓超音波検査は、胸部を露出してベッドに仰向けになって寝ている状態で、前胸部や手首と足首に心電図をとる電極をとりつけます。プローブと呼ばれる超音波発信機を肋骨の隙間に沿うようにあてて検査を行っていきます。プローブと皮膚の間には隙間が開かないように、ゼリー剤を塗ってピッタリと密着させます。プローブは超音波画像モニターに繋がっており、その場で医師が画像を見て診断します。検査にかかる時間は20〜30分ほどです。

【心臓超音波検査でわかること】
心臓の各部屋の大きさ、壁の厚さや動きなどから、心肥大、心拡大、心筋梗塞・心不全とその程度などが診断できます。弁の形や動きから、心臓弁膜症とその程度を判定します。心房中隔欠損症のような先天性の心臓病の診断にも役立ちます。また、各疾患の治療の効果判定に用いたり、心臓の外科的手術の適応を決定する重要な検査です。

トレッドミル検査

運動負荷試験は,安静時には心電図変化が認められませんが,運動することにより心筋虚血(心臓の酸素不足)が出現する労作性狭心症などのような虚血性心疾患の診断,治療方針の決定,治療効果の判定などのために行う検査です.

【検査の目的】
この検査は坂道を登る・急ぎ足で歩くといった日常生活の中で現れる胸痛・動悸・息切れなどの胸部症状を再現し,その時の心電図変化と血圧の変化をみて,運動中の心臓の状態を調べる検査です.心臓が悪くなると安静にしているときは症状がなくても,運動して心臓に負担がかかると不整脈や心筋に血液が十分に行かない状態(心筋虚血)が起こり,心電図に変化がでます.

【検査方法】
実際には,心電図と血圧を測定しながらベルトコンベアーの上を歩きます.ベルトは3分毎に速度と傾斜が増していきますので,その速度に合わせてはじめはゆっくりと,段階が進むにつれて駆け足ぎみの速さへと進んでいき,胸痛や圧迫感など胸部症状が出現したり,疲労感・息切れ・足の疲れなど運動を続けることができなくなるまで歩いていただきます.
また,年齢に応じた予測心拍数に達すると運動量十分とみなし終了をしたり,血圧や心電図変化がみられると終了することもあります.

ホルター心電図

24時間心電図は主に不整脈の検出・診断に役立つ検査です。狭心症・特に冠攣縮性狭心症の診断にも役立ちます。検査方法は簡単で、胸部に心電図の電極シールを張り付け、コードを介して10cm大の機械(フクダ電子社製 デジタルウオーク FM120)に接続します。心電図を装着されたらそのまま自宅につけて帰っていただき、翌日(約24時間後)に心電図の取り外しに来院していただいて取り外しを行います(この間機械が自動的に心電図記録を行います。検査を受けられる方には簡単な日記を記載いただくだけです)。検査に必要な時間は装着に15分程度、外すのに5分程度です。結果は心電図解析が必要であるため施行後1-2週間で報告されます。原則として装着中は入浴・シャワー浴はできませんが、ご希望の場合は10分以内の入浴やシャワー浴程度は可能である機械(フクダ電子社製 デジタルウオーク FM180)も1台ございますのでそちらを使用させていただきます。

血管内皮機能検査(FMD)

動脈硬化は、血管内膜にある一層の内皮細胞の機能が低下することから始まります.弱った血管内皮細胞の隙間からコレステロールが入り込んでしまうのです.血管内皮細胞が弱ると動脈硬化が年齢相応よりも速く進行してしまいます.そんな血管内皮細胞の機能「血管内皮機能」を数値として表せたらどうでしょうか?「血管内皮機能」を知る方法にFMD検査(Flow Mediated Dilationの略で日本語では血流依存性血管拡張反応検査)というものがあります.カフで腕を締めその後の血管拡張を超音波で診る簡便な検査で,正常な内皮細胞は,カフを緩めた後に血管拡張物質である一酸化窒素(NO)を放出します.このNOがどれだけ放出されたかは,どれだけ血管が拡張したかを見ることにより分かります.血管拡張が少ない場合は,内皮機能が衰えているという訳です.つまり,FMD検査は血管機能や血管の老化を調べることができます.

FMD検査はまだ十分に普及しておらず,大学病院等の研究機関にある程度です.しかしながら当院にはFMD検査が導入されており,外来でいつでも詳しく血管内皮機能を調べることができます.動脈硬化や血管内皮機能低下が気になる方は,いつでも循環器内科にご相談ください。

足関節上腕血圧比(ABI)

ABI(Ankle-Brachial Index)検査は、手と足の血圧の比を調べることで、動脈硬化の程度を数値として表したものです。この検査を行うことにより動脈硬化の度合を調べることができます。

動脈の内膜にコレステロールを主成分とする脂質が沈着して内膜が厚くなり、粥状硬化ができて血管の内腔が狭くなる「アテローム動脈硬化」の進行程度、血管の狭窄や閉塞などが推定できます。 ABIの測定値が0.9以下の場合は、症状の有無にかかわらず動脈硬化が疑われます。

足が冷たく感じ、歩くとお尻や太腿の外側などが痛む「閉塞性動脈硬化症(ASO)」が進行すると、足先が壊死してしまうこともあります。以上のような症状を自覚される場合には、循環器内科でABIの検査を受けることをお勧めします。

 入院が必要な検査

心臓カテーテル検査(CAG)・経皮的冠動脈形成術(PCI)

心臓カテーテル検査は,狭心症,心筋梗塞,心臓弁膜症,心筋症など心疾患の診断および治療方針の決定にきわめて重要な検査です.局所麻酔下に大腿の付け根の血管または手首や肘の血管からカテーテルという細い管をX線透視下に心臓内に挿入し,心臓内の圧測定,造影剤による左心室造影,冠動脈造影などを行います.

冠動脈造影で有意狭窄が認められれば,下記の経皮的冠動脈形成術をお勧めしますが,冠動脈狭窄の病変形態・部位によっては,冠動脈バイパス術をお勧めする場合もあります.その際はバイパスするための血管造影を追加します.

また,冠動脈造影で診断が困難な場合は,血管内超音波,OCT(近赤外線を用いた冠動脈内の検査),FFR(冠血流予備量比)等を測定して治療の適応を判断します.尚,OCTは不安定プラークの発見に最も有効とされおり,当院では積極的にOCTを用いた検査を行っています.

明らかな冠動脈狭窄がない場合は冠動脈の攣縮が関与している場合がありますので,冠攣縮を誘発するアセチルコリン負荷試験を行い,冠攣縮の有無を評価します.また,心筋症の確定診断のために心筋生検といって心室の組織を一部採取する場合もあります.

経皮的冠動脈形成術は狭心症,心筋梗塞の治療で,冠動脈の狭窄・閉塞部をバルーン(風船)で拡張したり,ステント(金属で出来た網目状の筒)を留置して,血管を元通りに拡張させる治療です.冠動脈造影用のカテーテルよりも一回り大きい治療用のカテーテルに入れ替え,ガイドワイヤーという細くてやわらかい針金で病変を通過させます.その後,ガイドワイヤーに風船やステントを沿わせて病変を拡張します.

末梢動脈疾患に対する経皮的血管形成術(EVT)

下肢血管(総腸骨動脈,外腸骨動脈,浅大腿動脈,膝下動脈)の動脈硬化による狭窄・閉塞は下肢血行障害を起こし,間欠性跛行,下肢痛,壊疽の原因となります.

このような動脈硬化に対して,経皮的血管形成術を行い,血行再建することにより,種々の症状を改善させることが可能になります.

経皮的血管形成術(EVT)は,大腿,膝下,上腕などの動脈からカテーテルを挿入し,造影剤を注入して病変を確認後,ワイヤーを通過させ,バルーン(風船)で拡張し,ステント(金属で出来た網目状の筒)を留置して,血管を元通りに拡張させます.

心臓電気生理検査(EPS)・カテーテル心筋焼灼術(RFCA)

頻脈性不整脈および徐脈性不整脈の原因検索のために心臓電気生理検査(EPS)を行います. EPSは局所麻酔下に足の付け根の静脈および鎖骨または頸部の静脈から電極カテーテルを挿入し,心臓内心電図を計測し不整脈の起源を突き止めます.

カテーテル心筋焼灼術(RFCA)は,この不整脈の起源に電流を流し高熱を与え心筋に部分的火傷を作り,不整脈の起源を断ち切ります.3次元構成で表示される三次元マッピング法を活用してより正確な焼灼に心がけています.

ペースメーカ植え込み術

自己心拍が著しく少ない徐脈性不整脈は突然心停止を来し,意識消失を生じることがあります.このような事態を防止するために,自己心拍を補助するための医療機器がペースメーカです.

鎖骨下静脈から局所麻酔下にペースメーカリード線を右心室や右心房まで挿入し,ペースメーカで電気刺激を与えて心拍を補助します.

下大静脈(IVC)フィルター留置術・除去術

下肢の静脈に血栓が形成されると(深部静脈血栓症),遊離して下大静脈から右房右室へと流れ肺動脈に塞栓を生じ致命的になることがあります.

多量の血栓が一度に遊離して,肺塞栓症となり致命的になるのを防止するために,下大静脈にフィルターを留置することが勧められています.

局所麻酔で,頸静脈もしくは大腿静脈からカテーテルを挿入し,造影剤で腎静脈の位置を確認し,腎静脈以下にフィルターを留置します.

外来診療スケジュール

 
午前
C-2
松島
堀井
松島
山本
堀井
当番医
C-3
山本
竹本
橋本
徳永
金岡
 
C-4
当番医
杉浦
遊田
西田(予約)
 
午後
C-2
松島
堀井
松島
山本
堀井
 
C-3
山本
竹本
守川
徳永
金岡
 
C-4
杉浦
遊田
 
 

※  午後の診療は予約のみとなります。

スタッフ 

 

担当医紹介

堀井 学(医療技術部長 兼;部長)

学歴・学位 自治医科大学 平成5年卒/医学博士
専門医・活動 日本内科学会認定内科医、日本循環器学会認定循環器専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、日本救急医学会認定救急科専門医、日本体育協会公認スポーツドクター、日本心不全学会評議員、日本循環器学会近畿支部評議員、奈良県立医科大学臨床教授
専門分野 循環器一般、心血管インターベンション治療、心不全、肺高血圧症

山本 雄太(医長)

学歴・学位 奈良県立医科大学 平成5年卒
専門医・活動 日本循環器病学会会員、日本心臓病学会会員
専門分野 循環器一般

竹本 康宏(医長)

学歴・学位 奈良県立医科大学 平成13年卒/医学博士
専門医・活動 日本内科学会認定内科医、日本循環器学会認定循環器専門医、日本心血管インターベンション治療学会認定医
専門分野 循環器一般、高血圧、心血管インターベンション治療、末梢血管インターベンション治療

コ永 元子(医師)

学歴・学位 山口大学 平成17年卒
専門医・活動 日本内科学会認定内科医、日本循環器学会認定循環器専門医、日本心血管インターベンション治療学会認定医
専門分野 循環器一般、心血管インターベンション治療

金岡 幸嗣朗(医師)

学歴・学位 奈良県立医科大学 平成25年卒
専門医・活動 日本内科学会認定内科医、日本循環器学会会員
専門分野 循環器一般

杉浦 純一(医師)

学歴・学位 奈良県立医科大学 平成26年卒
専門医・活動 日本内科学会会員、日本循環器学会会員
専門分野 循環器内科一般

松島 明彦(医師)

学歴・学位 奈良県立医科大学 昭和47年卒/医学博士
専門医・活動 日本内科学会認定総合内科専門医、日本循環器学会認定循環器専門医、日本抗加齢医学会専門医、日本循環器学会近畿支部評議員
専門分野 循環器一般、一般内科

西田 卓(医師:非常勤)

学歴・学位 奈良県立医科大学 平成14年卒/医学博士
専門医・活動 -
専門分野 不整脈、カテーテルアブレーション治療

守川 義信(医師:非常勤)

学歴・学位 奈良県立医科大学 平成14年卒
専門医・活動 日本内科学会認定内科医、日本循環器学会認定循環器専門医、日本体育協会公認スポーツドクター、日本救急医学会認定ICLS Director、JMECCディレクター、日本DMAT隊員、日本統括DMAT隊員、奈良県DMATコーディネーター、AMA BDLS Provider、MCLS管理世話人
専門分野 循環器一般、高血圧、災害医療、スポーツ医学

遊田 泰匠 (医師:非常勤)

学歴・学位 愛知医科大学 平成17年卒
専門医・活動 日本内科学会認定内科医、日本循環器学会認定循環器専門医、日本心血管インターベンション治療学会会員
専門分野 循環器一般、肺高血圧症

橋本 俊雄(医師:非常勤)

学歴・学位 奈良県立医科大学 昭和50年卒/医学博士
専門医・活動 -
専門分野 循環器一般

診療実績

血管造影検査・カテーテル手術件数

学会発表等

 

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