「放射線治療」 について
はじめに
この項目では、放射線治療について説明していきます。
放射線の投与される量や照射方法は患者さまによりさまざまです。現在うけられている治療内容が病院によってはこの項目の内容と異なることもありえます。この項目を読まれて、疑問点がございましたら、どうぞ主治医・看護師・放射線治療技師に遠慮なくご質問ください。
放射線治療とは...
「放射線とは高いエネルギーの電磁波、すなわち波長の極めて短い電磁波と高速で飛ぶ粒子を総称して放射線と呼ぶ。法令上、放射線とは、電磁波または粒子線のうち、直接または間接に空気を電離する能力をもつものであると定義されており、α線、β線、γ線、中性子線、重荷電粒子線、X線等が含まれる」。(文部科学省原子力安全課 緊急医療被ばくREMnetより)当院ではこれらのうちX線と電子線という放射線を利用してがん治療にあたっています。
放射線治療の流れ
- 診察
放射線治療医により患者さまの全身状態や病状を把握します - 治療計画CT
照射に必要なデータ収集を行います - 治療計画
放射線治療医と治療担当技師により計画装置を使って照射方法や放射線量を検討します - 位置決め
計画されたデータに沿って、今度は患者さまのからだに照射部位をマークします
照射
10回~30回程度
(2週~1月強)
○基本的に土曜・日曜・祝日以外毎日行います
○治療時間は10分程度
○放射線を身体にあてる際、痛みは伴いません
照射の方法
当院では体の外部から照射する外部照射治療を行っています。外部照射治療には、リニアック(直線加速器=LinearAccelerator、ライナックとも呼ばれる)という治療装置が用いられています。
これは電子を直線上に加速して金属ターゲットにあてることによりX線を発生させる機器です。
当院の治療装置は6MV(6百万ボルト)のX線と電子線では6種類のエネルギーを利用することが出来ます。
副作用について
短時間で照射することによりがん細胞にダメージを与えますが、周囲の正常な細胞へも害を及ぼします。したがって、副作用の危険が、がん細胞を殺す利益よりは少ないと考えられる場合に治療が開始されます。ただ放射線治療は局所療法であり、化学療法のような全身療法と異なりますので副作用も局所的に生じることが多いようです。主な症状は以下のようになります。
頭部:脱毛・皮膚の日焼け・吐き気・ふらつき・めまい
頚部:燕下障害・皮膚の日焼け・唾液の減少・味覚障害
胸部:放射線肺臓炎・皮膚の日焼け・胸焼け・食道部痛
乳房:皮膚の日焼け・放射線肺臓炎
腹部:消化不良・下痢
上記の症状は各部位に放射線があたった場合に起こりうる症状です。患者さまの全身状態や治療方法により症状の出方や程度は変わります。副作用の症状につきまして分からないことは主治医または放射線治療担当の医師・看護師・放射線技師に気兼ねなくお尋ね下さい。