耳鼻いんこう科
耳鼻咽喉科が扱う病気は、一般に認識されているよりも幅広く、耳・鼻・のどの疾患に加え、頭頸部領域におけるさまざまな疾患の診療を担当しています。
市立奈良病院耳鼻咽喉科では、特に鼻副鼻腔の炎症性疾患および甲状腺腫瘍の診療に力を注いでおり、専門的な診断と治療を提供しています。
①手術による治療
手術は当科の診療における重要な治療の柱の一つです。手術に際しては、事前に十分な説明と同意(インフォームド・コンセント)を行ったうえで、原則として全身麻酔下で行っています。安全で確実、そして標準的な手術を目指しています。
【鼻・副鼻腔疾患】
- 外来では、CTやMRIなどの画像検査に加え、採血検査や病理組織検査を行い、正確な診断に努めています。
- 術前にCT画像を十分に評価し、副鼻腔の解剖学的構造を正確に把握したうえで手術を行います。
- 内視鏡レンズ先端洗浄用シースを使用し、常に良好な視野を確保した状態で手術を行うよう心がけています。
- 副鼻腔は眼窩や頭蓋に隣接する部位であるため、鼻科手術用ナビゲーションシステムを活用し、より安全かつ正確な手術の実施に努めています。
- 重症通年性アレルギー性鼻炎に対しては、鼻閉症状に対する粘膜下下鼻甲介骨切除術や、鼻汁・くしゃみ症状に対する後鼻神経切断術を行っています。
- 歯性上顎洞炎については、歯科口腔外科での治療が優先されるため、関連診療科と連携しながら治療を進めます。
- 術後のパッキング(鼻内に留置するガーゼ)には、時間の経過とともに融ける素材を可能な限り使用し、ガーゼ抜去時の苦痛軽減に努めています。ただし、病状によっては融けない素材のパッキング材を使用する場合があります。
- 手術後の傷の治りを促し、炎症の再発を予防するために、自宅での生理食塩水による鼻洗浄を推奨しています。
- 好酸球性副鼻腔炎などで術後再発を認めた場合には、病状に応じて生物学的製剤による治療を選択することがあります。
[対象疾患]
・慢性副鼻腔炎
・好酸球性副鼻腔炎
・歯性上顎洞炎
・副鼻腔真菌症
・副鼻腔嚢胞
・鼻副鼻腔乳頭腫
・鼻中隔湾曲症
・肥厚性鼻炎
・アレルギー性鼻炎
[施行可能な手術]
・内視鏡下鼻副鼻腔手術
・内視鏡下鼻中隔矯正術
・粘膜下下鼻甲介骨切除術
・後鼻神経切断術
・SWING法
・EMMM(Endoscopic Modified Medial Maxillectomy)
・拡大前頭洞手術
【甲状腺疾患】
- 甲状腺癌、甲状腺腫瘍、バセドウ病に対する手術を行っています
- 必要に応じて、初診時に超音波検査(エコー)および超音波ガイド下吸引細胞診検査を行います。なお、細胞診検査を行った場合の結果説明は、通常1~2週間後となります。
- 甲状腺手術では、神経刺激装置を用いて反回神経および上喉頭神経外枝を確認しながら温存し、神経損傷のリスク低減に努めています。
【耳疾患】
- 鼓膜換気チューブ留置術(小児の滲出性中耳炎など)
【咽頭・喉頭疾患】
- 口蓋扁桃摘出術
- アデノイド切除術
- ラリンゴマイクロサージェリー(声帯ポリープなど)
【頚部疾患】
- 頸部腫瘍・嚢胞摘出術
- リンパ節生検術
- 気管切開術
入院を要する治療では、クリニカルパス(標準化された治療計画に基づく入院スケジュール)を用いて、適切な入院期間のもとで必要十分な医療を提供できるよう努めています。
クリニカルパスは随時見直しを行い、継続的な改善を図っています。
地域の医療機関からご紹介いただいた患者さんについては、手術後に病状が安定すれば、術後管理を紹介元医療機関にお願いし、地域医療連携の推進に努めています。
②耳鼻いんこう科救急疾患の治療
耳鼻咽喉科領域の救急疾患に対する診療も、当院が地域医療において担う重要な役割の一つと考えています。
- 突発性難聴に対しては、糖尿病など全身管理が必要な場合には入院のうえ、ステロイド漸減療法とプロスタグランジン(PGE1)の併用療法を約1週間行っています。
- 顔面神経麻痺に対しては、ステロイド漸減療法を行い、必要に応じて抗ウイルス薬を併用しています。
- めまい症に対しては、MRIで脳梗塞などの中枢性疾患が否定され、眼振を認める前庭神経炎などの末梢性めまいにおいて、症状が強い場合には数日間の入院治療を行うことがあります
- 難治性の鼻出血に対しては、硬性内視鏡を用いて出血点を可能な限り特定し、凝固による確実な止血に努めています。
- 急性扁桃炎、扁桃周囲膿瘍、急性喉頭蓋炎などの咽喉頭感染症に対しては、積極的に入院治療を行い、必要に応じて膿瘍切開術や気管切開術を行っています。
③検査
正確な診断を期するため外来で種々の検査を行っています。
- 当日行える検査
純音聴力検査、ティンパノメトリ、耳小骨筋反射(SR)、耳音響放射(DPOAE)
SISIテスト、頭位・頭位変換眼振検査(CCDカメラ下)、重心動揺計
電子鼻咽喉ファイバースコープ(全診察室に設置)
顕微鏡(全診察室に設置)、鼻腔硬性内視鏡
超音波検査(必要に応じて細胞診検査)
この他随時菌検査・病理組織生検も行っています。
- 予約検査
語音聴力検査
聴性脳幹反応(成人のみ)
補聴器外来(火曜午後・月2回)
詳細な鼓膜所見の確認および聴力検査を行ったうえで、補聴器専門店スタッフと連携し、補聴器のフィッティングを行っています。
その他外来・診療について
- 外来診療では、初診担当医と再診担当医を分けることで、できるだけ待ち時間の短縮に努めています。ただし、紹介状をお持ちの方や救急受診の方については、優先して診察させていただく場合があります。
- また当院では「患者支援センター 地域医療連携課」を通じた予約システムを導入しており、紹介患者さんの初診予約が可能です。
- 当院での対応が困難な重症患者さんについては、より高度な医療を提供できる医療機関へ紹介させていただく場合があります。
- 一方で、こまめな処置が必要な患者さんや病状が安定した患者さんについては、地域の医療機関やかかりつけ医へ紹介させていただく場合があります。
外来診療スケジュール
月 |
火 |
水 |
木 |
金 |
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午前 |
I-2 | 衞藤 | 当番医 | 中山 | 衞藤 | 阪上 |
| I-3 | 阪上 (予約) |
衞藤 (予約) |
中山 (予約) |
中山 (予約) |
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| H-3 | エコー | エコー | エコー | |||
午後 |
I-2 | 手術日 | 衞藤 (予約) |
手術日 | ||
| I-3 | 阪上 (予約) |
衞藤 (予約) |
阪上 (予約) |
※火・金曜日は手術等の為、受付時間は 11:00 まで。
担当医紹介
阪上 剛(耳鼻いんこう科部長)
| 学歴・学位 | 奈良県立医科大学 平成12年卒 |
| 専門医・活動 | 日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会専門医・指導医、 日本鼻科学会 鼻科手術指導医、 難病指定医、 奈良県立医科大学臨床教授 |
| 専門分野 | 鼻副鼻腔疾患 内視鏡下鼻副鼻腔手術 |
中山 彩子(医師)
| 学歴・学位 | 学歴・学位 奈良県立医科大学 平成18年卒 |
| 専門医・活動 | 日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会専門医、 日本内分泌外科学会専門医 |
| 専門分野 | 甲状腺外科 |
衞藤 克幸(医師)
| 学歴・学位 | 奈良県立医科大学医学部 平成29年卒 |
| 専門医・活動 | 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会専門医 |
| 専門分野 | 鼻科学、耳鼻咽喉科一般 |
宮原 裕(医師:研究員)
| 学歴・学位 | 山口大学医学部 昭和45年卒/医学博士 |
| 専門医・活動 | 大阪府立成人病センター 耳鼻科元部長、奈良医大耳鼻科元准教授、 日本耳鼻咽喉科学会専門医、頭頸部がん専門医、日本がん治療認定医、 気管・食道学会専門医 |
| 専門分野 | 頭頸部腫瘍 |


























