市立奈良病院
所在地 〒630-8305
奈良市東紀寺町1丁目50-1
TEL 0742-24-1251
FAX 0742-22-2478
交通アクセス・駐車場
来院される方へ
地域医療連携
採用情報

形成外科(再建形成外科)

形成外科をご存知ですか?

平成25年4月から、当院に「形成外科」を開設いたしました。

形成外科という診療科は、まだまだ一般の方にはなじみがうすく、整形外科と誤解されたり、皮膚科や美容外科とどこがちがうかという質問を受けたりします。 Wikipedia には“先天的あるいは後天的な身体外表の醜状変形に対して、機能はもとより形態解剖学的に正常にすることで、個人を社会に適応させる事を目的とする外科学の一分野。”とあります。

簡単に言えば、事故や手術、生まれつきなどで顔や身体に生じた変形を、元の形・機能により近づけていく診療科です。臓器別診療科ではなく、顔の骨と、体表のほぼすべてを扱う診療科です。

今までなら傷がなおることが治療のゴールでしたが、手術やけがのあとが醜く残っていたり、傷跡の痛み・かゆみが消えなかったりすれば本当の満足は得られません。これらが少し元の状態に近づくだけでも生活の質(Quality of life)はずいぶん向上するでしょう。

以下に示すけがや病気でお悩みの場合は、一度、形成外科への受診をおすすめします。以外と簡単に悩みが解消されるかも知れません。

トピックス

眼瞼(まぶた)、涙、睫毛で困っておられる方へ NEW 

ときどき、眼科の先生から、睫毛が目に当たる、眼瞼が下がって見えにくい、涙が減って、眼脂(目やに)が多い、などの患者様の治療紹介を受けることがあります。

最近、まぶたが垂れ下がって目が見えにくくなって来てはいませんか?加齢による影響やコンタクトレンズの長期着用などが原因となり、まぶたが垂れ下がっている状態を「眼瞼下垂症」と言います。
その他、まつげが目に刺さって痛い、いわゆる逆睫毛は「内反症」、下まぶたが垂れ下がって目が乾いて痛い場合は「外反症」、涙が溜まりやすい、目頭が腫れて痛いなどの症状は「涙管狭窄」の可能性が考えられます。

これらの眼の周囲の病気には、いずれも適切な治療があります。これらの症状でお困りの場合は形成外科で一度お気軽にご相談ください。


車椅子シーティング外来開設のお知らせ(平成30年11月から) NEW 

当科では、地域医療の一環として、褥瘡患者の在宅医療や療養型施設(慢性期、グループホーム他)の訪問診療や外来での治療法指南他、幅広く入院・外来診療して来ました。
その中で、車椅子生活者の脊髄損傷、二分脊椎症等の基礎疾患による座骨部褥瘡は難知性になる事も多く、車椅子の各固体への調整が重要な問題ですが、診療現場では、創面の加療が主となり、褥瘡予防やケアに大きく関与するシーティング調整に十分な時間を割いてきませんでした。
外来で診療している患者様の中には、適切なシーティングにより、創面の自然縮小、治癒傾向が期待できる例があり、この度、リハビリテーション室、看護部との日々の臨床経験から、必然的に本外来開設の合意が生まれて来ました。このチームアプローチの試みは関西でも初めてのもので、高齢化が全国平均より早く進む奈良から発信は意義があり、その成果に期待を持ちたいと思っています。
患者様の中でシーティング希望の方がおられたら、床ずれや潰瘍がなくても、いったん、形成外科外来を受診いただければ、多職種でのチーム医療(予防とケア)を進めて参ります。

 外来日時   毎月第3月曜 午後1時~3時まで
 予約方法   形成外科からリハ処方箋予約のみ、一人1時間(2枠)
 診療体制   形成外科医、作業療法士、看護師、医療事務
 診療場所   形成外科外来およびリハビリテーション室(個室)
 診療内容   車椅子適合のアセスメント、シーティング(カンファレンス)


ほくろ・シミ・あざ外来開設のお知らせ(平成30年6月から) 

当科では、平成30年6月から新たに『ほくろ・シミ・あざ外来』を開設いたしました。

ほくろ・シミ・あざの大きさや性状に応じて、レーザー治療(炭酸ガスレーザーやQスイッチルビーレーザー)や外科的切除を行います。
一見問題のないようなほくろやシミの中に、皮膚がんが紛れこんでいることも稀ではありません。急激に大きくなったり、出血したり、なかなか治らないできものはありませんか?やけどやケガの傷跡がシミのように目立ってはいませんか?皮膚がんは早期切除が最善です。
なお、保険適応範囲内での加療となりますので、整容目的の治療の場合は自由診療を行っている施設やクリニックをご紹介させて頂きます。
気になるほくろ・シミ・あざがあれば、どうぞご気軽にご相談ください。

市立奈良病院 形成外科で取り扱っている疾患

形成外科の全般を取り扱っています。唇裂手術などレベルの高い頭蓋顔面外科の全般も積極的に行っています。

外 傷 体の表面のあらゆるけが。顔のけが。顔の骨の骨折。  
手足の外傷・切断指趾、動物による咬み傷。  
熱傷(やけど)。  
外傷後瘢痕・手術後瘢痕(きずあと)、など。
腫 瘍 あらゆる皮膚のできもの。  
母斑(黒子・色あざ・しみ)・母斑症、血管腫(赤あざ)。  
ケロイド、肥厚性瘢痕(もりあがった傷あと)。  
皮膚癌。  
褥瘡(床ずれ)、難治性潰瘍(糖尿病による足の潰瘍・壊死など)。
先天異常 先天性体表異常のすべて。  
小児頭蓋奇形(頭蓋狭窄症, クルーゾン病など)、顔面裂、小耳症などの顔面奇形。  
唇裂・口蓋裂。  
多指症・合指症等の手足の奇形。  
漏斗胸、臍ヘルニア(でべそ)、尾骨部胼胝。
その他 上顎癌後の再建、顔面神経麻痺。  
眼瞼下垂、睫毛内反症(逆まつげ)、鼻涙管再建。  
乳房再建、女性化乳房、陥没乳頭など。  
腋臭症(わきが)、陥入爪(巻き爪)、ガングリオン。

レーザー治療と保険外診療について

当科は、炭酸ガスレーザー、Qルビーレーザーを設置しています。一部の小さな皮膚腫瘍は外来で簡単に切除が可能です。体表の赤あざ、青あざ、毛の生えたあざ、シミ、入れ墨などにはそれぞれ有効なレーザーが異なるため、もし当院で対応できない場合はレーザー専門医への紹介を行います。

また当院では自由診療は行っていませんが、美容外科的治療を希望される方は相談により適切な施設の紹介を行っています。

担当医より一言

市立奈良病院 形成外科はとくに子供の先天体表異常、とくに唇裂などの外科的治療に力を注いでいます。つまり、乳幼児期に行われる唇裂手術は子供の一生を決めてしまうため、とても大切な治療だからです。あらゆる子供のからだの表面・頭と顔についての心配はとりあえず相談して下さい。また当然ながらすべてのけが・やけどや手術あとの傷のすこしでもきれいな治癒、腫瘍(悪性のできものなど)で切り取られたからだの部分の再建など、QOLの向上や早期の社会復帰のために積極的な治療を行っています。乳癌のあとの乳房欠損、火傷、顔のけがなどは本当にきれいになると思います。

「再建形成外科」という名称は、私たちの再建に対する思いがこもっています。地域における日々の診療において、皆様に 市立奈良病院を受診して良かった、と思っていただけるよう努力して参ります。

 

 外来診療スケジュール

        
   
午前
I-12
久德
久德
大谷
大谷
久德
I-11 大谷
(李)

(久徳)
(大谷)
午後
I-11
シーティング外来
(第3週)
   
ほくろ・しみ外来
   

※ 先天異常外来(第4月曜のみ)
※ 金曜日は手術により交代制となります。

担当医紹介

久德 茂雄(副院長 兼:形成外科部長、感染制御室室長、MC室室長)

学歴・学位 大阪医科大学医学部 昭和61年卒/医学博士
専門医・活動 (学会)日本救急医学会専門医、日本形成外科学会専門医、
日本頭蓋顎顔面外科学会専門医、日本熱傷学会専門医、
日本脳神経外科救急学会PNLS認定医、日本褥瘡学会認定師、
日本創傷外科学会専門医、皮膚腫瘍外科指導医、小児形成外科指導医、
再建・マイクロサージャリー指導医、日本感染症学会ICD
(その他)NPO法人 Craniofacial Center 副理事長、大阪医科大学臨床教育教授、
近畿大学奈良病院非常勤講師、東京医科大学兼任講師
専門分野 頭蓋顎顔面外科、先天異常の治療

大谷 一弘(医長)

学歴・学位 大阪医科大学 平成13年卒/医学博士
専門医・活動 日本形成外科学会専門医
専門分野 乳房再建

久德 美樹(医師:非常勤)

学歴・学位 関西医科大学 平成3年卒 / 医学博士
専門医・活動 日本形成外科学会専門医、日本頭蓋顎顔面外科学会専門医、日本熱傷学会専門医、
日本創傷外科学会専門医、皮膚腫瘍外科指導専門医
専門分野 形成外科全般、熱傷、乳房再建、先天異常の外科(小耳症など)

李 受娟(医師:専攻医)

学歴・学位
専門医・活動
専門分野

令和3年10月31日

 

ページトップへ 戻る ホームへ