産婦人科
各種ガイドラインや診療の手引きなどを遵守し、科学的根拠に基づいた最新の医療を、充分な説明と同意(インフォームドコンセント)のうえで提供したいと考えています。また、奈良県立医科大学附属病院をはじめ、地域の医療機関とも緊密に連携をとっているため、状況に応じて患者さんの受け入れや紹介をスムーズに行うことが可能となっています。
2023年10月より当院でもNIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)を開始いたしました。当院にかかりつけの妊婦さんはもちろんのこと、他院で通院中の妊婦さんでも当院でカウンセリングを受けていただいた後にNIPTの検査ができるようになりました。 また、カウンセリングのみでその後のNIPTを受けないという選択も可能です(カウンセリング無でNIPTのみは不可)。 希望される妊婦さんで当院にかかりつけの場合は健診時に担当医へ、他院で通院中の場合はかかりつけの医療機関を通じて当院の地域医療連携課経由で予約してください。
NIPT詳しくはこちら☞ 市立奈良病院の出生前遺伝カウンセリングおよびNIPTについて
2024年7月よりRSウイルス母子免疫ワクチンの接種を希望する妊婦さんには開始しています。妊婦さんに接種することで、おなかの中にいる赤ちゃんにお母さんからの免疫物質が届き、出生後の乳児期に感染するRSウイルスを原因とする下気道疾患を予防します。
詳しくはこちら ☞ 妊婦に接種するRSウイルス母子免疫ワクチンについて
産科医療(当院での分娩の特色)
開設以降、2023年までの19年間に合計7,747件の分娩を取り扱っており、奈良県内でも有数の分娩施設であると自負しています。
①妊娠や出産は本来、自然の営みであることより、当院では極力陣痛誘発剤や陣痛促進剤などを使用せずに、できる限りご本人のペースで進むように、経過をみるようにしています。分娩時間の調整を行うような、計画分娩は行っていません。ただし、一部の妊婦さんではただ経過をみているだけではいつまでも分娩に至らず、かえって母児の状態が悪化することがありますので、このような方に対しては、機を逸することなく充分な説明と同意のうえで医療介入を行っています。
②小児科の医師が出生後の早い時期に新生児を診察することにより、児の異常の早期発見に努めています。退院前には、整形外科の医師による先天性股関節脱臼などの健診をおこなっています。また万が一にも、出生時に児の異常が予想されるような状況では、可能な限り小児科の医師が分娩に立ち会い、出生と同時に治療を開始します。そのため、当院ではある程度の未熟性が予想される早産や子宮内胎児発育遅延による低出生体重児などにも対応が可能となっています。
③コロナ禍で中止していた立ち合い分娩を再開しました(条件付)。
④母親と新生児のスキンシップを大切にしています。当院では原則として生後 24 時間より母児同室としています。入院中から育児に対して自信がもて、母と子の心の結びつきが強くなるといわれています。また、母乳栄養の確立にも力を入れています。
⑤妊婦健診時に助産師による保健指導も行っており、個別にも妊婦さんからの相談に対応しています。両親教室も開催しております。予約制ですが、健やかな妊娠期間を過ごし、安産となりますように必ず受講していただきたいと思います。当院でお産をされた方には助産師外来を設け、産後の乳房ケアや育児相談を行っています。
⑥入院中、病院の栄養室より、心ばかりの「お祝い膳」をおだししています。洋食と和食からお好みの方を選んでいただいています。
婦人科医療
子宮筋腫などの良性腫瘍は勿論のこと、子宮癌や卵巣癌などの悪性腫瘍にも幅広く対応し、県内の婦人科疾患治療施設のひとつとして貢献しています。悪性腫瘍に関しては各疾患の治療ガイドラインにのっとり、放射線療法や癌化学療法といった治療法も集学的に行うことで、治療成績の向上に努めています。
令和5年度の手術室での婦人科手術件数は130件、うち悪性腫瘍に関連した手術件数は39件でした。可能な限りの低侵襲の手術を行うことで、入院期間の短縮と早期の社会復帰を目指しており、腹腔鏡下手術や子宮鏡下手術などの内視鏡下手術も積極的に行っています。
当院は一般社団法人日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(JOHBOC)の認定施設となっています。
https://johboc.jp/shisetsunintei/shisetsulist/#tablepress-17/
遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の方には、癌になる前の健常な子宮付属器を予防的に切除する腹腔鏡下でのリスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)を受けていただくことができます。
どうしても手術をしたくないという子宮筋腫の患者さんに対しては、放射線科と協力して、子宮動脈の血流を止めることによって筋腫を壊死させ、筋腫の縮小と症状の改善を目指す子宮動脈塞栓術(UAE)も行っています。
日本女性医学学会(旧称 日本更年期医学会)に所属しているものが多く、様々な女性のヘルスケアに精通しています。更年期医療をはじめ、思春期や性成熟期の月経異常などに対して、ピルなどのホルモン剤や漢方薬による治療なども積極的に行っています。40-50歳台女性の「肩こり、疲れやすい、頭痛、のぼせ・ほてり・発汗、腹痛・腰痛、不眠、イライラ、動悸・息切れ、うつ状態・不安感、めまい」などの症状は、卵巣機能の衰えによる更年期障害の可能性があります。お気軽にご相談ください。
他の病院での治療に関しての相談も受け付けています(セカンドオピニオン外来予約制)。また、当院から他の医療機関で医師の意見を聞きたい、相談したいとのご希望に対しては、紹介状の作成や検査結果の添付(MRIなどの画像フィルムなど)も行っています。
外来診療スケジュール
月 |
火 |
水 |
木 |
金 |
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午前 |
G-1 | 藤井 | 延原 | 春田 | 東浦 | 原田 |
G-6 | 東浦 | 原田 | 藤井 | 赤坂 | 延原 | |
午後 |
G-1 | 藤井 | 延原 | 春田 | ||
G-11 |
※ 月・火・水曜日のみ午後診療あり、診療受付は13:30~15:00となります。
担当医紹介
原田 直哉(副院長 兼 部長)
学歴・学位 | 奈良県立医科大学 平成3年卒/医学博士 |
専門医・活動 | 奈良県立医科大学臨床教授、奈良県立医科大学非常勤講師、 奈良県産婦人科医会理事、 日本周産期・新生児医学会評議員、 近畿産科婦人科学会評議員、 日本産科婦人科学会指導医、日本女性医学学会女性ヘルスケア指導医、 日本産科婦人科学会専門医、日本女性医学学会女性ヘルスケア専門医、 日本産科婦人科遺伝診療学会認定(周産期)、 母体保護法指定医、 日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法「専門」コースインストラクター、 日本HBOCコンソーシアム教育セミナー受講修了、 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 |
専門分野 | - |
延原 一郎(アドバイザー)
学歴・学位 | 奈良県立医科大学 平成4年卒 |
専門医・活動 | 日本産科婦人科学会指導医、日本産科婦人科学会専門医、
日本女性医学学会女性ヘルスケア専門医、 日本産科婦人科遺伝診療学会認定(周産期)、 日本がん・生殖医療学会認定暫定がん・生殖医療ナビゲーター、 日本周産期・新生児医学会会員、日本超音波医学会会員、 日本東洋医学会会員、産婦人科漢方研究会会員、 母体保護法指定医、日本医師会認定産業医、 日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法「専門」コースインストラクター、 日本HBOCコンソーシアム教育セミナー受講修了、 災害時小児周産期リエゾン養成研修修了 |
専門分野 | - |
春田 典子(医長)
学歴・学位 | 奈良県立医科大学 平成9年卒 |
専門医・活動 | 日本産科婦人科学会指導医、日本産科婦人科学会専門医、 日本周産期・新生児医学会会員、日本婦人科腫瘍学会会員、 日本女性医学学会会員、日本超音波医学会会員、母体保護法指定医、 日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法「専門」コースインストラクター |
専門分野 | - |
東浦 友美(医長)
学歴・学位 | 岐阜大学医学部 平成16年卒 |
専門医・活動 | 日本産科婦人科学会指導医、日本産科婦人科学会専門医、 日本周産期・新生児医学会会員、日本女性医学学会会員、 日本産科婦人科内視鏡学会会員、母体保護法指定医、 日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法「専門」コース修了認定者 |
専門分野 | - |
藤井 肇(医長)
学歴・学位 | 島根医科大学 平成15年卒(京都大学 工学部 平成11年卒) |
専門医・活動 | 日本産科婦人科学会指導医、日本産科婦人科学会専門医、 日本女性医学学会女性ヘルスケア専門医、 日本周産期・新生児医学会会員、母体保護法指定医、 日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法「専門」コース修了認定者、 日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療専門医 |
専門分野 | - |
赤坂 往倫範(医師:専攻医)
学歴良・学位 | 奈良県立医科大学 平成29年卒 |
専門医・活動 | 日本産科婦人科学会会員、 日本周産期・新生児医学会会員、日本女性医学学会会員、 日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法「専門」コース修了認定者 |
専門分野 | - |
春田 祥治(医師:非常勤)
学歴・学位 | - |
専門医・活動 | - |
専門分野 | - |
牧野 佑子(医師:非常勤)
学歴・学位 | - |
専門医・活動 | - |
専門分野 | - |
臨床研究・業績について