市立奈良病院
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人工乳房の保険適用について

2013年6月12日 厚生労働省の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)が、乳がんの全摘手術後に用いる人工乳房の7月からの保険適用を国内で初めて承認しました。日本では年間6万人が乳がんを発症、うち2万人が全摘手術の対象となっていますが、今回の承認によって患者負担が大幅に軽減されるとともに、乳がんを患った女性の喪失感を補う選択肢が一つ開かれることになります。  

乳房再建には、お腹や背中の脂肪、筋肉、皮膚を移植する方法(自家組織移植法)と人工乳房を使う方法があり、従来は自家組織移植法しか保険が適用できませんでした。今回保険適用が承認されたのは後者の方法【 がんの切除と同時に皮膚を膨らませるための器具(皮膚拡張器:エキスパンダー)を留置して数ヶ月後にシリコンでできた人工乳房と入れ替える再建術 】に使用されるエキスパンダーと人工乳房です。この2製品が承認されたによって、手術、麻酔、その他関連費用も保険を用いることが可能となります。  

なお、今回エキスパンダーはしずく型で自然な乳房の形に近く感染の危険性も低い最新型が承認されましたが、人工乳房は柔らかい円形の旧型のもので、主に豊胸術などに用いられてきたタイプのものです。実際の乳房に形の近いことから多くの患者さんに適応されている「しずく型」は現在も製造販売の申請中で、未だ承認の目途はたっていません。  

今回の保険承認にあたっては、製品が安全に使われるよう国により厳しい安全基準が設けられています。製品を取り扱うためには施設としての基準や手術実施可能な医師の基準を満たす必要があります。講習会の受講や症例の登録、術後長期にわたる追跡調査も義務づけられており、当院では9月頃の運用開始を目指してこれらの要件を満たすよう現在準備を進めております。  

人工乳房に関して当院での取り扱いが可能な状況になりましたら、改めてホームページ等でお知らせします。

 

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